証人尋問があった県議会調査特別委員会を終え、席を立つ斎藤元彦・兵庫県知事=神戸市中央区で2024年8月30日午後5時34分、大西岳彦撮影

 兵庫県の斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題で、5日の県議会の調査特別委員会(百条委)で証言を求められていた元県総務部長は心身の不調などを理由に不出頭を届け出た。百条委の冒頭、4日付で議長宛に届け出たことが明らかになった。

 届けによると、心身の不調のほか、身体に危害を加えるといった脅迫を受けているとして「安全面への不安がある」ことを理由に挙げた。

 元県西播磨県民局長の男性(7月に死亡)が、告発文を県議や報道機関に送付した後、県の公益通報窓口に同内容を情報提供したにもかかわらず、停職3カ月の懲戒処分を受けたことなどについて、元総務部長に証言を求める予定だった。

 元総務部長は、処分を検討する綱紀委員会の委員長を務めた。当初、人事担当者から「公益通報の調査結果が出るまでは、処分できないのではないか」との慎重意見が出たが、知事の意向を受け、処分を急がせたとされる。告発文を巡る真相究明の動きが激しくなった7月から病欠し、8月に総務部付となった。【中尾卓英】

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