公正取引委員会の看板。公正取引委員会などが入る中央合同庁舎第6号館B・C棟で=東京都千代田区霞が関で2019年、本橋和夫撮影

 下請け業者への支払代金を不当に減額したとして、公正取引委員会は4日、宅配型生協のパルシステム生活協同組合連合会(東京都新宿区)について下請け法(下請け代金の減額の禁止)違反を認定し、再発防止を求めて勧告した。

 下請け法は、事前に取り決めた代金を正当な理由なく減額することを禁じている。公取委によると、パルシステムは2023年4月から、プライベートブランド商品の製造を委託している食品メーカー5社に対し、事前に決めた金額から計約2770万円を減額した。すでに全額を返金したという。

 パルシステムは通常の価格で発注しながら、「セール品として売り出す」として支払代金を減額するなどしていた。公取委の検査では「在庫可能な商品だったため、発注と売り出し時で販売価格に差が発生した」などと説明したという。公取委の担当者は「契約通りの代金を支払うのは基本中の基本」と指摘している。配送センターの利用料名目などで代金を一方的に引き下げたケースもあった。

 パルシステムは関東周辺の地域生協などが加盟する連合会組織。商品の仕入れやカタログ製作を行い、会員生協が組合員に宅配する。売上高に当たる供給高は1761億円、会員生協の組合員数は計173万人(いずれも23年度末現在)に上る。【渡辺暢】

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