大分県臼杵市が管理する公園で8月、敷地境界のフェンスの一部が外れ、遊んでいた男児2人が敷地外に転落して負傷した事故を受け、市が市内53公園のフェンスを緊急点検したところ、約4割にあたる22公園でフェンスを固定する金具などに不具合が見つかったことが、市への取材で分かった。市は順次改修する予定だが、1月の定期点検では不具合は確認されなかったと説明しており、管理態勢のあり方が問われそうだ。【山口泰輝】
事故は8月9日午後6時20分ごろ、同市前田の公園で発生。近くに住む当時5歳と10歳の男児2人が鬼ごっこをしていた際、フェンス(高さ約1・2メートル)が外れて約2メートル下のコンクリート舗装の道路に転落し、5歳児はあごを複数針縫うけが、10歳児は左膝にすり傷をそれぞれ負った。2人はフェンスに寄りかかったとみられる。
事故後に市が調べたところ、フェンス同士をつなぐ金具が少なくとも3カ所さびて外れているのを確認した。フェンスは2008年に設置しており、市は老朽化による強度低下が原因とみている。
事故を受け、市は8月10~23日に緊急点検を実施。その結果、フェンスを固定する金具がさびて外れたり、緩んだりしているなどの不具合を約4割の公園で確認した。
市は事故を公表した際に「1月の定期点検では異常は確認されなかった」と説明。市によると、定期点検は目視によるもので、金具を一つずつ触るなどして確認した緊急点検とは手法が違っていたという。
市建設課は、毎日新聞の取材に対し「定期点検の方法に問題はなかった」との認識を示す一方、「金具を一つずつ触ってはいなかった。見落としがあったと言われてしまえばそれまで」と話した。
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