岐阜県羽島市消防本部は、長良川に転落した車から高齢男性を助け出した同県海津市の会社員ら4人に感謝状を贈った。発見時、男性は運転席で首まで水につかり動けない状態だったといい、危機一髪の救出劇だった。
感謝状を受け取ったのは、歯科医師、江川翔さん(38)=大阪市西区▽釣りガイド、加木屋守さん(31)=愛知県蟹江町▽同、中川瑠凱さん(21)=同県豊山町▽会社員、安藤貴将さん(33)=海津市=の4人。当時、江川さんと加木屋さん、中川さんは近くでボート釣りをしており、安藤さんは仕事からの帰宅途中だった。
消防本部によると、7月30日午後5時ごろ、羽島市桑原町の長良川の船着き場で、軽乗用車が川岸に半分水没した状態で浮いているのをボート釣りの3人が発見。運転席に男性がおり、声をかけると反応があったため、通りかかった安藤さんも加わり、川に入って救出にあたった。
男性は1時間ほど水につかっており、低体温症で体の震えが止まらず、抱きかかえて車外に運び出すのが苦労したという。江川さんは「4人でないと助け出せなかった。干潮で水位が低かったのも幸いだった」と振り返り、安藤さんも「まさか中に人がいるとは。ちゅうちょなく水に入りました」と話した。
男性は羽島市内在住の70代で、救急搬送され軽症だった。釣りに来ていて車のアクセルとブレーキを踏み間違えたらしい。奥田豊消防長は「現場は潮の満ちひきがあり、もう少し遅れていたら命の危険があった。実に素早い対応だった」とたたえた。【稲垣洋介】
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