俳優・アーティストののんさんが、神戸市の六甲山上で開催中の現代アートの芸術祭「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」で、新作インスタレーション(空間作品)を発表している。8月下旬に展示場所を訪ねたのんさんは「すてきな空間になりました」と笑顔で語った。
7年ほど前から大量のリボンを使ったアート作品を制作。今回は、アンティークオルゴールや自動演奏楽器などを展示しているROKKO森の音(ね)ミュージアム3階を会場にして各所に作品を配し、空間全体で「のん Ribbon Art 昔といまを結ぶちょうちょ」をつくりあげた。「私が生まれる前から存在しているオルゴールと、今を表すリボンアートが同じ場所にあることによって、昔と今をつなげたい」と意図した。
中心となるのは、トルソー(胴体)に大量のリボンを立体的に張りつけた作品だ。これまでは上半身のトルソーを使ってきたが、初めてお尻や足の形を取り入れた。「リボンといえばキュートなイメージだと思いますが、お尻のトルソーに張ってみると色っぽくなる」と自作を分析。「私が大事にしてきたのは、可愛いとされているものが不気味に見えたり怪しげに見えたりしながらアートとして存在すること。今まで気が赴くままに創作していたのを今回は何度もやり直し考えを深めて作ったので、『一歩先』に進めた気がします」
青森のこけし灯籠(とうろう)や福島の赤べこなど、東北の伝統工芸品とコラボレーションした旧作や、自身にリボンをあしらった写真作品なども展示されている。
兵庫県神河町出身ののんさんが、県内でアート作品を発表するのは23年の朝来市以来。「兵庫のアート展に呼んでいただけたのはとてもうれしい。六甲山はとても有名な場所で、県外の人にも自慢できます!」ととびっきりの笑顔をみせた。【岸桂子】
アーティスト61組の作品展示
「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」(六甲山観光、阪神電気鉄道主催)は今年で15回目。これまで「六甲ミーツ・アート」という芸術祭名だったが、「六甲山が神戸にあることをアピールし、広域からお客様を呼べるように」(事務局)と「神戸」を冠したという。
国内外で活躍するアーティスト61組の作品が六甲山の9会場に点在する。土日祝は「ひかりの森~夜の芸術散歩~」と題した夜間展示もある(ナイトパスが必要)。
11月24日まで。鑑賞パスポートは中学生以上3000円、ナイトパス付き4000円など。台風10号が通過するまでは鑑賞できない作品もある。詳細は公式サイト(https://rokkomeetsart.jp)で。問い合わせは事務局(078・891・0048)。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。