2学期から学校へ行くのが「しんどい子」「つらい子」は動物園へいらっしゃい――。愛知県犬山市にある公益財団法人「日本モンキーセンター」の公式ブログに8月中旬、こんな投稿が載った。書いたのは動物園部のある飼育員だった。
夏休み明けは、子どもの自殺が増える傾向にあるとされる。こうしたニュースを目にすることが増えて気になっていたという、同部飼育員の高田晃行さん(29)は、お盆明けのブログで子どもたちへのメッセージを発信することにした。
ブログでは、担当する「南米館」のサルたちが休んだり、眠ったりする時、外敵は入れない大きさの木の穴を探し、鳴き声も小さくして居場所を隠すことを紹介。「生きるためなら、逃げるのあり、隠れるのあり。人間だけができないなんて変でしょ?」と続けた。
動物だって必ず外敵に立ち向かっていくわけじゃない。だめなら、立ち止まったり、方向を変えたり、もう一度向かっていったり……。飼育員として動物と向き合う中で、高田さん自身が教わったことでもあった。
子どもたちにとって動物園が居心地の良い場になればと願い、日々環境を整えてきた。でも、それが動物園ではなくてもいいと思っている。「学びの場所はたくさんある。そこにはキラキラ、ワクワクする不思議な世界があるはずです」。ブログをそう締めくくった。【田中理知】
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