台風10号の接近に伴い、東海地方は31日、各地で大雨となった。岐阜県大垣市で警戒レベルが最も高い「緊急安全確保」が発令されたほか、3県の自治体で避難指示が相次いだ。三重県では線状降水帯が発生し、猛烈な雨となった。台風は今後さらに東海地方に近づく見込みで、名古屋地方気象台などは土砂災害や河川の氾濫に警戒を呼びかけている。
同気象台などによると31日午後6時現在、24時間降水量の最大値は、三重県大紀町268・5ミリ▽岐阜県揖斐川町197・5ミリ▽同県大垣市186ミリ▽愛知県新城市157・5ミリ――など。新城市で記録した1時間降水量63ミリは8月の観測史上最大。
岐阜県南西部を流れる杭瀬川の水位が急激に上昇し、池田町で氾濫が発生。大垣市でも氾濫の危険性が高まったとして赤坂東地区の685世帯、2049人に一時、緊急安全確保が出された。愛知県豊田市も、逢妻女川が氾濫危険水位に達したとして周辺の29地区に一時、避難指示を出した。また津地方気象台は午後1時57分、三重県北中部で線状降水帯による激しい雨が降り続いているとして「顕著な大雨に関する情報」を発表した。
台風は紀伊半島の南東を東へ進んだ後、9月2日にかけて東海地方に近づく見込み。1日午後6時までに予想される24時間降水量はいずれも多いところで、愛知県西部・東部250ミリ▽岐阜県美濃地方300ミリ▽同県飛驒地方150ミリ▽三重県北中部300ミリ▽同県南部400ミリ。
この雨でJR東海は31日、東海道新幹線の三島―名古屋駅間の上下線で終日運転を見合わせた。JR在来線や、名古屋鉄道など私鉄各社でも運転見合わせや一部運休が相次いだ。【永海俊】
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