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 兵庫県知事のパワハラ疑惑を調査する百条委員会が開かれ、斎藤元彦知事(46)本人に対する証人尋問が初めて行われました。

■厳しい質問相次ぐ

 2時間半超えとなった百条委員会の証人尋問。

斎藤知事
「(Q.ご自身は今でもパワハラを認めないのですか?)必要な指導だと思ってましたけど、そこはやっぱり不快に思われた方とか負担に思われた方がいるのであれば、本当に心からおわびしたいと思います」 厳しい質問相次ぐ この記事の写真

 斎藤知事に対し、質問に立った県議からは厳しい質問が相次ぎました。

斎藤元彦知事 斎藤知事
「宣誓書。良心に従って真実を述べ、何事も隠さず付け加えないことを誓う」

 「真実を述べる」と誓い始まった兵庫県の斎藤知事に対する百条委員会の証人尋問。百条委員会では虚偽の証言などをした場合、禁錮などの罰則が科せられます。

4割職員が見聞きと回答

 アンケートに対し、およそ4割の職員が見聞きしたことがあると回答した斎藤知事のパワハラ疑惑。まず初めに質問が飛んだのは…。

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■車進入禁止の場所で…厳しく叱責

■車進入禁止の場所で…厳しく叱責

20m歩かされ激怒

 出張で訪れた博物館で、公用車から降り、入り口まで20メートルを歩かされたことで職員を厳しく叱責した疑惑についてです。

「円滑な車の進入を確保しなかったことを注意した」 斎藤知事
「それなりに強く指摘したと思う」
「2人の職員が待っていたので、そこまで車が当然行くと思っていたが、突然止まったので『どうしたの?』と言うと、車止めがありますと。向こうで(職員が)待っているなら、もしかしたら車止めを外すのを失念していたのではないかと強く思ったので。私は歩かされたことを思って怒ったというのではなく、円滑な車の進入をキチッと確保しなかったことについて注意した」

 車止めが置かれた場所は、その先の車両の進入が禁止されていました。そのため運転席の職員は、手前で公用車を停車したといいます。

 しかし、そのことに知事は怒り、職員の対応が不十分だとして叱責。結局、職員は車止めを移動させ、無許可で進入せざるを得なかったといいます。

職員対応が不十分と主張 斎藤知事
「(Q.職員の対応は不十分だと?)はい、そう思いました」
「(Q.それは入り口わずか15メートルから20メートル程度の所でした。そこから知事が降車されて会場に入るという動線は、私も含め多くの県民の皆さんもそうだと思うが、十分合理的な動線だと思うが?)私としては車止めを外しておいて、職員2人が待っている所まで車で行くということがベストだと思う」

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■職員からは「瞬間湯沸かし器」

■職員からは「瞬間湯沸かし器」

 先月、泣きながら辞職を表明した片山安孝前副知事。

片山安孝前副知事 片山前副知事
「なんで知事を支えられなかったのか、悔しくてしゃあない」 付箋を投げつけ疑惑

 この片山前副知事に対し、斎藤知事が「付箋」を投げ付けたという疑惑については、こう説明しました。

「1枚の付箋を…」 斎藤知事
「まずその大きさの付箋を束のまま投げたことはない。私はその時を覚えてますけれども、やはり1枚の付箋を自分の中で折りたたみながら話を聞いてて、その内容に思わず強い思いを抱いてしまうということ」
「(Q.腹立ったということ?)目の前に投げて、放り投げてしまったということ」

 付箋を投げたことは認めつつも、副知事に向かって投げ付けたのではないと明確に否定した斎藤知事。

斎藤知事「2つの面がある」 斎藤知事
「(Q.知事は自分で気の長い方と思ってる?それとも短気だと思ってる?)2つの面があって、基本的には割と適当なところがあるが。仕事などに関しては、例えばやっぱりミスがあったり、こういうことがあった場合に、やっぱりそこは短気な面もある」 職員の間で…

 斎藤知事は、職員の間で「瞬間湯沸かし器」や「暴君」などと陰で呼ばれていたといいます。

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■深夜にチャットで業務指示

■深夜にチャットで業務指示

 深夜や休日を問わず、県庁内のSNSのチャット機能を通じて、職員に業務上の指示をしていたという斎藤知事。

 ある日の深夜、午前0時46分のチャットでは次のようなやり取りがありました。

深夜にチャット(1) 斎藤知事
「知事が報道で初めて知るのはおかしいのではないか。明日朝イチで教育長と部長に知事室に入るように調整してください」
「報告もれがないかを確認する体制を整備しろといったのに、全くなにもできていない。なにをやっているのか…」 深夜にチャット(2) 幹部職員A
「申し訳ありませんでした。明日、朝一で報告するように調整いたします」

 なかには、深夜に叱責された職員もいたといいます。これについて、斎藤知事は次のように話しました。

斎藤知事
「忘れないうちに備忘録的に送ったという面もあるにしても、『レスポンス(返信)は明日でいいです』とか『週明けでいいです』と丁寧に書いておくことは今考えればすべきだったと思う」

 知事選で斎藤知事を支援した日本維新の会の議員からも厳しい批判が浴びせられ、傍聴席がざわつく場面もありました。

日本維新の会からは厳しい声 日本維新の会 議員
「思いやりが足りないんじゃないか。人望がないんじゃないか」
「部下には厳しい」
「コミュニケーション不足ってものすごく深刻だと思う」

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■来週“おねだり疑惑”を追求予定

■来週“おねだり疑惑”を追求予定

 委員会の席上、謝罪の弁を述べる場面がありましたが、最後までパワハラを認めることはなかった斎藤知事。

パワハラを否定 斎藤知事
「職員の方からのいわゆる人望であったり、信頼感というものは1ミリもないということはない。一番大事なのはやっぱり県民の皆さんにとっていい施策をしていくということが大事」

 日本維新の会共同代表の吉村洋文大阪府知事は次のように話しました。

維新・吉村洋文氏 吉村知事
「これ以上県政が進められないと、推薦した立場として難しいと判断すれば、それは辞職勧告・不信任決議案も選択しないといけないと思う」 おねだり疑惑を追及予定

 百条委員会では、来月6日に再び知事に対して証人尋問を行い、高級な特産品などを巡る“おねだり疑惑”について追及する予定です。

(「グッド!モーニング」2024年8月31日放送分より)

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