兵庫県庁=神戸市中央区で2024年7月、大西岳彦撮影

 兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した職員の懲戒処分を巡り、知事側近の幹部らが内部調査の過程で入手した告発とは無関係の情報を周囲に漏らしていた疑いがあることが明らかになった。県の懲戒処分指針では、職務上知り得た秘密を故意に漏らす行為を処分対象としている。斎藤知事は29日、調査を主導した片山安孝元副知事らの情報漏えいの疑惑について、調査を検討していることを明らかにした。

 調査対象は片山氏と元理事、元総務部長、産業労働部長の4人となる見通しで、知事のパワーハラスメント疑惑などを告発した文書に名前が出た側近。元総務部長らは文書を作成、配布した元西播磨県民局長の男性(7月に死亡)の懲戒処分に関わった。県は外部弁護士に調査を依頼する方針だ。

 片山氏らは告発文の存在を把握した直後の3月下旬、内部調査として男性を事情聴取するとともに男性が使っていた公用パソコンを調べ、文書のデータを確認。関係者によると、この過程で告発内容とは関係のない男性の私的情報も把握し、県議らに漏らしていたという。

 斎藤知事は29日、県庁で報道陣に対し、人事当局が調査に向けて弁護士と協議中であることを説明。漏えい疑惑について「4人に確認したが、否定していた。これまでも一生懸命仕事をしていたので信じたい」と述べた。

 男性は7月19日、県議会調査特別委員会(百条委)に証人として出席する予定だったが、7月上旬に同県姫路市の親族宅で死亡しているのが見つかった。死の直前には弁護士を通じて、証人尋問にあたってプライバシーに配慮するよう県議会に訴えていた。【山田麻未】

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