東京地裁=東京都千代田区で2020年1月15日午前10時36分、米田堅持撮影

 インターネット上で、男性に覚醒剤を持ってくるよう唆したとして、覚醒剤取締法違反教唆に問われた元「私人逮捕系ユーチューバー」の今野蓮(31)、奥村路丈(29)両被告は29日、東京地裁(花田隆光裁判官)の初公判でいずれも起訴内容を否認し、無罪を主張した。

 起訴状などによると、2人は2023年8月、女性を装ってネット掲示板で知り合った男性を「覚醒剤を一緒に使用したい」という趣旨のメッセージを通じて誘い出し、覚醒剤を持ってくるよう唆したとされる。2人はこの男性が警察官に現行犯逮捕される様子を自身の動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信していた。

 検察側は冒頭陳述で、2人は23年1月、広告収入を得るため、痴漢や盗撮している人を自ら捕まえる様子を動画配信するユーチューブチャンネルを開設したと指摘。285本の動画を投稿し、23年5~10月の間に約946万円を売り上げたと明らかにした。

 弁護側は、掲示板でメッセージを送ったことは認めたものの、男性の覚醒剤所持との因果関係はないとし、覚醒罪取締法違反教唆は成立しないと主張した。現在、このユーチューブチャンネルは視聴できない。【菅野蘭】

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