公益社団法人「おうみ犯罪被害者支援センター」(大津市)は28日、滋賀県内19市町と犯罪被害者支援の連携協定を結び終えたと発表した。全市町との協定締結は奈良県に次いで全国で2番目。
2000年に設立した同センターは犯罪被害者からの電話相談やカウンセリング、警察への付き添いなどの支援を無料で行う。犯罪被害者支援で行政の責務を定めた04年の「犯罪被害者等基本法」などを契機に、同センターでも20年から市町と協定を結んできており、今年8月の彦根市との締結で完了した。
市町との協定によって、犯罪被害者が生活福祉面での支援を受ける際に手続きの負担が減るほか、市町からの財政的な支援もある。
同センターでは相談件数は19年度に2000件を超え、23年度には2821件に上った。同じ人を複数回にわたって支援するのが特長で、昨年度を除き人口10万人あたりの相談件数は16年度から全国1位となっている。近年は未成年を被害者とした性暴力が多く、昨年度の相談内容の約6割が性犯罪だという。
同日に県庁で会見した西嶋栄治理事長は「4年かかって全市町に協定の必要性を理解してもらえた。これをスタートに行政と連携して犯罪被害者の助けになりたい」と述べた。【飯塚りりん】
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