2022年実施の国民健康・栄養調査で、新型コロナウイルス流行による健康面などの変化を尋ねたところ、20歳以上の1割超が「体重が増えた」と回答したと、厚生労働省が28日発表した。男性は1日当たりの平均歩数が減少し、厚労省は体重や歩数の変化について「リモートワークなどの働き方の変化が影響した可能性がある」としている。
調査は新型コロナ感染拡大の影響で20年以降見送られており、3年ぶりに行われた。22年11~12月、無作為抽出した全国の6134世帯を対象に実施し、2910世帯から回答を得た。
コロナ流行下での健康面や生活の変化を尋ねたところ、回答した世帯の男性の13・2%、女性の16・7%が調査の直近1カ月で体重が「増えた」と答えた。1週間当たりの運動日数は、男性の12・7%、女性の13・8%が「減った」と答え、いずれも「増えた」との回答(男女とも5・0%)の2倍以上だった。
1日当たりの歩数にもコロナ前の調査との違いが見られた。女性の平均値は5820歩で、19年の前回調査(5832歩)と同程度だったが、男性は328歩減の6465歩だった。
一方、1年以上継続している運動習慣(1回30分以上の運動を週2回以上実施)がある人は男性35・5%、女性31・5%だった。いずれも前回調査を上回り、女性は10年以降で最多だった。
厚労省の担当者は、歩数が減少か横ばいにもかかわらず、運動習慣がある人の割合が増えた理由については「分からない」としつつ「コロナ感染拡大前後で生活様式や行動面での変化があったことは今回の結果からも見て取れる。今後の感染症流行時の対策を検討する際の基礎資料としたい」としている。【肥沼直寛】
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