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■鹿児島県に暴風・波浪の特別警報

 台風10号は当初の予想よりも発達を続けています。きょう28日午前0時には中心気圧が935hPaまで下がりました。このあとさらに発達し、中心気圧が925hPaまで下がった状態で九州に接近するとみられています。もしこの気圧での接近・上陸となれば、統計史上最強レベルということになります。

史上最強レベルで九州接近か この記事の写真は5枚

 気象庁は28日午後1時、鹿児島県に暴風と波浪の特別警報を発表しました。「大雨特別警報」が、すでに何らかの災害が発生している可能性が極めて高い状況で発表されるのに対して、暴風や波浪といった「台風特別警報」は、数十年に一度の強度の台風が襲来すると予想されるときに発表されるものです。
 台風特別警報に該当する例として、気象庁は「室戸台風」や「伊勢湾台風」といった歴史に残る台風をあげています。今回はそれに匹敵するような極めて危険な台風が接近してきています。
 台風特別警報は、事前に命を守る行動につなげるための情報です。できる限り早く安全な場所への避難を開始してください。

過去に経験のない暴風、高波の恐れ

■奄美・九州・四国で線状降水帯の恐れ

 台風10号やその周辺の湿った空気の影響で、全国的に大雨リスクが高まっています。26日は栃木県で、27日は岩手県で線状降水帯が発生し、8月ひと月分に相当する雨が、わずか3時間で降りました。
 気象庁は、28日昼前に発表した気象情報で、新たに九州北部と山口県、四国でも線状降水帯が発生する恐れがあると発表しました。
 28日正午時点で、線状降水帯の予測情報が出ている地域と期間は以下の通りです。

【線状降水帯予測情報】
奄美地方:29日午前中にかけて
九州南部:29日夜にかけて
九州北部:29日夜にかけて
山口県 :29日夜にかけて
四国地方:29日夜にかけて 総雨量1000mm超えか 災害級大雨の恐れ

 北日本には秋雨前線が停滞、東海沖では太平洋高気圧の縁を回る風と台風を回る風が収束していて、全国的に大雨となりやすい気象状況となっています。台風から離れた地域でも、決して油断しないようにしてください。

台風10号、秋雨前線、風の収束 全国で大雨リスクあり

■台風10号スピード上げず 来週前半まで影響長期化か

 東日本や北日本では、台風の接近タイミングがどんどん遅れています。台風が上空の風をうまく捕まえられないためです。気象の計算モデルによっては九州上陸後に再び東シナ海に抜ける予想をしているものもあり、進路もタイミングもまだまだ絞り切れない状況です。
 台風予想の後半ほどブレが大きく、不確定な要素が多くなっています。こまめな台風情報の確認をお願いします。

台風10号 今後の進路は? この記事の写真を見る(5枚)
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