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 江戸時代からおよそ300年続く伝統行事が、担い手や資金不足に悩まされています。開催が目前に迫るなか、“推し活”が存続の危機を救うかもしれません。

■初めて寄付金の募集を開始

江戸時代から続く「おわら風の盆」 この記事の写真

 胡弓、三味線の音色や唄に合わせて編み笠を目深にかぶった踊り手が町を練り歩く「おわら風の盆」。

 富山県で、江戸時代からおよそ300年踊り継がれる伝統的な行事で、台風から作物を守るため、風の神様を鎮める豊作祈願として毎年この時期に行われています。(開催時期:毎年9月1日〜3日)

3日間で約20万人が訪れる

 3日間でおよそ20万人が訪れ、外国人観光客にも人気ですが、重くのしかかるのは、担い手と資金の不足です。

おわら風の盆行事運営委員会
橘賢美さん(71)

「地元の住民だけでは、いま風の盆はできない状態ですね。(参加者は)減少気味になってきている」 おはやしの人数が減少

 少子化も大きく影響し、おはやしを担う人は橘さんの町内だけでも3年前に比べて半数ほどに減少しているといいます。

整備のための人件費、電気代の高騰などが予算を圧迫

 さらに、町には狭い道や坂が多く、整備するための人件費やあんどんに使われる電気代の高騰が予算を圧迫します。

橘さん
「赤字黒字ではなくて自分たちのおわら風の盆ですから、あくまで自腹を切ってでも自分たちでやっていく」

 並々ならぬ思いで開催を決意したといいますが、今回、初めて寄付金の募集を開始。その方法が。

橘さん
「“推し活”といいますか、そういったものでお客様の理解を得て寄付していただく」

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■“推し”の町を選んで応援

■“推し”の町を選んで応援

11の町ごとの紋様がデザインされたうちわ

 地区内の11の町が、それぞれ違った衣装で踊りを披露する「おわら風の盆」。町ごとの紋様がデザインされたうちわを作成し、観光客が自分の好きな町、いわゆる“推し”の町のうちわを購入することで応援してもらうというものです。

“ハコ推し”のための全町うちわ

 町にかかわらず、盆そのものが好き!という“ハコ推し”の人には、すべての町の紋様が入ったうちわも用意。26日から販売が始まり、早速注文が入っています。

橘さん
「(踊り手に)一緒について回られたりするときに、うちわであおぎながらついていけるのも、一つの楽しみじゃないかなと思います。見る方もやる方も一つの目的でつながれば、それも一つの在り方かなと」

(「グッド!モーニング」2024年8月28日放送分より)

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