2

 台風10号が迫っています。「非常に強い勢力」「上陸しました」など、台風シーズンによく聞く言葉ですが、どんな意味なのか、しっかりと説明できますか。

■台風の強さは風速で決まる

台風10号 この記事の写真

 台風が近付くたびに、よく耳にする言葉があると思いますが、どんな意味なのか。今回の台風10号が接近する前に、しっかりと理解しておきたいと思います。

 まず、台風の強さはどうやって決まるのか。今回の台風10号は28日、非常に強い勢力まで発達する見込みです。

台風の強さは風速で決まる

 台風の強さは雨量や中心気圧ではなく、風速で決まっています。

強さの階級分け
最大風速17メートル以上 熱帯低気圧から台風に変わる
最大風速33メートル以上 強い
最大風速44メートル以上 非常に強い
最大風速54メートル以上 猛烈

 台風の威力が衰えて、最大風速が17メートル未満になると、台風から熱帯低気圧に変わります。

 気圧が下がれば下がるほど風は強まる傾向にあるので、強さと中心気圧は無関係ではありませんが、「強さは風速で決まる」ということを覚えておいてもらいたいと思います。

次のページは

■台風が「上陸」したことがない沖縄

■台風が「上陸」したことがない沖縄

上陸が多かった都道府県(1951年〜2023年第17号まで)

 続いて、理解しておきたいワードは「上陸」です。

 今回の台風10号は進路を西よりに変え、九州に上陸する可能性が高まっています。そこで、過去73年の都道府県ごとの上陸回数を見てみます。

上陸が多かった都道府県(1951年〜2023年第17号まで)
1位 鹿児島 43回
2位 高知 26回
3位 和歌山 25回
4位 静岡 22回
5位 長崎 18回
6位 宮崎 14回
7位 愛知 12回
8位 千葉 9回
9位 熊本 8回
10位 徳島 7回

 1位は九州の最南端・鹿児島ですが、2位と差があります。10県中、4県が九州です。九州は日本列島の南に位置し、「台風の玄関口」とも呼ばれ、上陸回数が多い傾向にあります。

上陸の定義 気象庁

 ただ、この10県の中に、沖縄はありません。というのも、沖縄に台風が上陸したことはないのです。なぜなのでしょうか。

 気象庁による上陸の定義は、「台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合」で、「小さな島や半島を横切って、短時間で再び海に出た場合」には台風が通過したと表現します。ですから、沖縄に台風が直撃しても、上陸扱いにはなりません。そのため、統計上、沖縄に台風が上陸したことはありません。

呼び名の違い

 さらに世界で台風が上陸するのは、日本や中国などアジア圏だけで、ヨーロッパやアメリカ大陸には上陸しません。なぜなら、場所によって呼び名が違うからです。

 台風、ハリケーン、サイクロンなど、どれも耳にしたことがあると思います。細かい定義は違いますが、すべて発達した熱帯低気圧で、場所によって呼び方が違います。

 例えば、日本列島の南の海上で台風が発生して、東経180度を越えていくとハリケーンと呼び名が変わります。そのため、台風がアメリカに上陸することはないということです。

 このように、台風用語を正しく理解し、最新情報を確認するようにしてください。

(スーパーJチャンネル「なるほどハテナ」2024年8月26日放送)

テレ朝天気 この記事の写真を見る
・東京都内の地下へとつながる“ナゾの扉” その先は…駐車場?高速道路?地下鉄?・「令和の米騒動」に追い打ち 台風10号接近で農家警戒 スーパーでは品切れ・幕撤去の「富士山コンビニ」に再び外国人観光客 地元住民「マナー良くなったかも」・危険!吹き飛ぶマンホールのフタ 2日連続で都心ゲリラ雷雨 台風10号は列島直撃か・【台風最新情報】台風10号は西回りコースで全国に影響か 転向点で速度落とし影響が長期化の恐れ

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。