茨城県つくば市の五十嵐立青市長は26日、11月の任期満了後に支給される退職金について、市民に市政の評価をインターネットで投票してもらい、その結果を基に額を決める条例案を9月3日開会の市議会定例会に提出すると発表した。投票は11月1~11日に実施予定。
投票できるのは署名用電子証明書が有効なマイナンバーカードを持つ15歳以上の市民。「つくばスマートシティアプリ」から0~100点の10点刻みで投票する。満額の退職金は2039万4000円だが、平均点が70点なら70%などと減額される。0円とするには地方自治法などの課題があるため、0点の場合は22円とする。
五十嵐氏は1期目の任期満了時の2020年に退職金を22円に減額したが、評価する声もあれば「後任の人材確保のためにもらうべきだ」との批判も受けたという。記者会見で「適切に市民の声を反映しようと考えた結果がインターネット投票」と述べた。「一人でも多く意見を表明できる町にしたい」と対象は15歳以上とした。
市は、10月27日投開票の市長・市議選で実施を目指していたインターネット投票のシステムを利用予定。改修などに約2000万円かかるが、ネット投票の実証実験費として計上していた予算規模で収まるという。五十嵐氏は3選出馬を表明しており、事前運動と捉えられないよう日程は選挙後、11月16日の任期までに設定した。
他自治体では大阪府寝屋川市で市民の評価を特別職の給料に連動させる条例が23年に可決されたが、つくば市によるとネット投票を利用した事例は初めて。【信田真由美】
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