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 台風10号は26日、西よりの進路になってきていますが、いつ、どこで影響が大きくなりそうなのかを気象予報士の今村涼子さんに聞きます。

■進路を西に変えた要因は「寒冷渦」

台風10号(26日午後3時現在) この記事の写真

 当初の見立てから、進路が変わってきている状況です。今後も、しばらくは西よりに進みます。その後、向きを変えて28日(水)から29日(木)あたりに九州地方に接近する予想です。そして、30日(金)と31日(土)に本州方面に進み、日本列島に沿うようなコースを取る見込みです。

 東海や関東方面に影響が出てくるのは30日(金)以降になり、台風の影響が今週いっぱい長引くことになりそうです。

台風の進路を決める3要素

 そして、台風10号が西に進んでいる大きな要因についてです。

 台風の進路を決める要素は3つあります。1つ目は「高気圧」、2つ目は「寒冷渦」、3つ目は「偏西風」です。台風10号の進路には、2つ目の「寒冷渦」が影響しています。

寒冷渦

 24日(土)時点の水蒸気画像を見ていきます。雲に加えて水蒸気も捉えているので、空気の流れが分かります。

 画像には、台風10号の西側に台風と同じように反時計回りに回る寒冷渦があります。

寒冷渦の流れに台風が引っ張られるように西へ進んでいる

 水蒸気画像の時間を進めると、この寒冷渦の流れに台風が引っ張られるように西へ進んでいくのが分かります。

日付を戻して確認すると…

 もう一度、水蒸気画像の日付を戻して確認すると、寒冷渦の流れに乗って台風が西に進むという形になりました。

 台風と寒冷渦が近付くと、干渉し合って変則的な動きをすることがあります。今回は、寒冷渦のほうが強く、台風が引っ張られる形になり、西に進むようになりました。

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■「ゆっくり」進む理由は…?

■「ゆっくり」進む理由は…?

偏西風が関係

 また台風10号は、かなりゆっくり進んでいます。その理由を説明します。

 まず、進路が西よりになったことで日本への接近のタイミングが遅れました。さらに、北上するスピードも遅くなってきています。その理由には、偏西風が関係しています。

速度があまり上がらない理由

 台風が南海上に留まっている間に偏西風は北側に離れ、なかなか乗ることができない状態になっています。そのため、北上するスピードも上がりません。広範囲で影響が長引くということが、今回やっかいな台風だなということになります。

(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年8月26日放送)

テレ朝天気

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