パワハラ疑惑の知事が調査結果が出る前に、告発した職員の処分を検討するよう指示していたことが分かりました。
■調査待たず“告発者の処分”検討指示
また新たな疑惑が浮上しました。パワハラ疑惑などで内部告発された斎藤元彦兵庫県知事です。
兵庫県 斎藤元彦知事
「(Q.知事の意向で公益通報の調査結果を待たずに、処分を検討するように指示したのは間違いないですか?)あの…。公益通報との関係、それから県の懲戒処分ですけれども、ここは先日、私が記者会見で説明させて頂いた通り。これは県としての懲戒処分の手続きですから、これは県として、制度や趣旨等に基づいて適切に手続きや対応をしたというふうに考えています」
斎藤知事が「適切に対応した」としたのは、内部告発をした元西播磨県民局長の懲戒処分のことです。疑惑はその懲戒処分の進め方に関わっています。
元局長が県議や報道機関宛てに告発文書を配布したのは3月…。
兵庫県 斎藤元彦知事
「事実無根の内容が多々含まれている。しかも業務時間中なのに、嘘八百含めて文書作って流す行為は公務員として失格ですので」
元局長は4月に入り、公益通報制度に基づき、県にも疑惑を通報しました。ところがその翌月…。
井筒総務部職員局長
「文書について人事当局で調査をした結果、記載されている7つの項目すべてにおいて、記載内容の核心的な部分が事実ではないことから、当該文書は知事や一部の幹部職員に対する誹謗(ひぼう)中傷文書であると認定をしました」
兵庫県は内部調査をもとに元局長に停職3カ月の懲戒処分を下したのです。
井筒総務部職員局長
「(Q.(公益通報の)結果を待ってから処分する手法もあったと思うが?)公益通報と我々の懲戒処分の調査は全く趣旨、目的が異なります」
公益通報者保護法では、一定の要件のもと通報者への不利益な取り扱いを禁じています。
当時も職員からは…。
奥谷謙一百条委員会委員長
「部下の方から公益通報の結果が出るまでは処分をしない方が良いのではないかという進言があったということが本日証言で判明いたしました」
関係者によると、斎藤知事はいったんこの進言を受け入れたものの、その後、人事当局に対して…。
兵庫県 斎藤元彦知事
「調査結果を待たずに元局長を処分できないか」
こう問い合わせたといいます。
斎藤知事から問い合わせを受けた人事当局は弁護士に確認。「法的に問題がない」という回答だったため、総務部長らが処分を優先するよう指示したといいます。
百条委員会で証言した職員は、知事がこう言っているのを聞いたといいます。
兵庫県 斎藤元彦知事
「懲戒処分すれば、(自分に対する批判の)風向きが変わるのでは」
兵庫県 斎藤元彦知事
「(Q.公益通報の結果を待たずに処分を指示したか?)あの…そういったところはまぁ我々…私も今ここで取材にすぐ答えるのが適切なのか。百条委員会であったりとか、それ以外の第三者委員会とか、そういった場で調査の中でお答えしていくということが、まずは良いのかなというふうに考えています」
「(Q.指示したかどうかは思い出せない?)あの…いずれにしても県としては、あの…今回の懲戒処分に関する手続き、それから処分内容については適切なプロセス、内容も含めてやってきた。これは県としての対応になっているので」
県が元局長を懲戒処分したのは、内部告発の「核心的な部分が事実ではない」からだとしています。
ただ百条委員会によるアンケートなどでは、パワハラを疑わせる証言が相次いでいます。
兵庫県 竹内英明県議
「知事から最高幹部に対して文具を投げたという証言が出ました」
「(Q.証言者が目撃?)その方が目撃した」
さらにアンケートの中間報告でも。
職員アンケートの中間報告
「知事レク(知事への説明)の際に、内容が気に入らないと罵声を浴びせ、タブレットを投げ付けると聞いた。出張先で靴を脱ぐ機会があったが靴ベラがなかったことに激昂した」
30日には斎藤知事に対する証人尋問が百条委員会で予定されています。
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