ゲリラ雷雨の猛威にさらされた日本列島。台風の縦断に備え、各地で対策に追われています。

■列島襲うゲリラ雷雨「怖い流されそう」

激しい雨に見舞われた箱根・芦ノ湖…溢れた雨水は湖に流れ込み、周辺のレジャー施設に溢れ出しています。さらに駐車場にカメラを向けると、車体のスレスレまで雨水に覆われた車が…
(丸山真二記者)「午後4時すぎの箱根芦ノ湖付近です。突然激しい雨が降り出し、山からは泥水が流れ込んできています」
「すごいこれ、流されそうだね…」
箱根では1時間に69.0ミリの雨を観測。今年一番の非常に厳しい雨となりました。芦ノ湖周辺をドライブ中だった人は身の危険を感じたといいます。
(撮影した夫婦)「運転も途中で怖くなるくらい。ひょうなのかなというくらいガンガンなっていた。私たちが経験した中で恐らく一番強い雨ではないかと…」
台風10号による南からの湿った空気の影響で大気の状態が不安定となり、日本の広い範囲で激しい雨となりました。

■音楽イベントを直撃客に“避難待機”案内

強い雨は西日本を中心に朝から降り始めました。山口県萩市では1時間に76.0ミリの雨が降り、今年一番の非常に激しい雨を観測しました。
道路には水が溢れ歩道との境が分からなくなるほど水かさが増しています。一方、山口市内では…
雨に打たれながら建物へ避難する人々…きらら博記念公園で行われた音楽イベントでは開場前に激しい雨に見舞われ、主催者側から一時、避難待機の案内が出されました。大阪でも…
(撮影者)「すごいやばいで…波打ってるで…どうなってんのこれ?」
住宅地の道路が冠水、茶色い泥も染み出し、徐々に広がっていく様子が伺えます。道を走る自転車を見ると、車輪の半分くらいの高さまで冠水しているのが分かります。大阪の茨木市では一時間に59.0ミリの雨を観測、今年一番の激しい雨となりました。
滝のように地面に打ち付ける大量の雨水。午後1時ごろ、福島市の野球場で撮影された映像です。この球場では、高校野球の秋季大会が行われていましたが、大雨の影響で、一時中断となりました。
現在、日本の南を北上中の強い台風10号は28日水曜日ごろに西日本へ上陸する見通しで、木造家屋が倒壊する程の暴風や大雨災害に警戒が必要です。

■台風上陸前に「稲刈り」5年前は濁流被害に

こうしたなか、台風への準備も進んでいました。
(山本将司ディレクター)「千葉県四街道市では、台風が接近する前にということで稲刈りが始まっています」
9反の田んぼでコシヒカリをつくる、山崎哲保さん。台風の情報を知り、3日ほど前から稲刈りを始めたと言います。
(コメ農家山崎哲保さん(69))「正直言うと、あと2、3日おきたいなという気があるんですけど、台風が来るという報道があるので」
山崎さんが懸念するのは、5年前の台風のような被害です。
2019年10月。台風21号に伴う記録的な大雨は、10人を超える死者をだし、千葉県を中心に甚大な被害を与えました。このとき、山崎さんの田んぼにも濁流が押し寄せ、被害を受けたのです。
(コメ農家山崎哲保さん)「(稲が)倒れちゃうと完全にこうなって、ここに水があるとここから根が少しずつ出てきてしまう。そうなると食べものにならない」
山崎さんによると、今年のコメは、暑さの影響で成長が早く、できも上々。コメ不足が叫ばれるなか、生産者として消費者の期待を裏切ることは出来ないと言います。
(コメ農家山崎哲保さん)「せっかく期待をして頂いている、大勢の人に買っていただいてますので、それだけのものを届けたいというのは作る側としてはある。それに台風の影響もあるので、そこは心配」

■強い台風10号「雨・風すべてに警戒を」

では今後、台風10号は列島にどんな影響を及ぼすのでしょうか?
(野口琢矢気象予報士)「台風10号は水曜日にも“強い勢力”で西日本に上陸する可能性が高まっています。今回の台風の特徴としては、すでに広い範囲に湿った空気が流れ込んでいて、台風が上陸する西日本だけではなく、東海や関東にかけても大雨に警戒が必要ということです。台風周辺の湿った空気が流れ込みますので明日(26日)もゲリラ雷雨が続くほか、台風周辺の湿った空気が直接流れ込む西日本太平洋側で断続的に雨となりそうです。接近に伴っては風も強まり波も高くなりますので風速でいうと60メートル、これは走行中のトラックが横転したり、また樹木が倒れてしまうような、危険な風が予想されています」
JR各社は25日、台風10号の接近に伴い計画運休や長時間にわたる運転見合わせの可能性があると発表。東海道新幹線は、28日から29日にかけ。山陽新幹線は、27日から29日にかけて影響があるとして最新の情報を確認するよう呼び掛けています。

8月25日『サンデーステーション』より

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