大阪市中央区心斎橋筋1の宝飾店で高級時計が奪われ男性店員が刺殺された事件で、強盗殺人の疑いで送検された中国籍の容疑者が、来日当日にこの宝飾店を訪れていたことが捜査関係者への取材で明らかになった。下見とみられる。時計の在庫確認後、凶器に使ったとみられる牛刀を購入したことも判明。大阪府警は容疑者が周到に強奪の準備を進めていたとみている。
捜査関係者によると、后馭波(ほうゆぼー)容疑者(27)は4日に中国から関西国際空港に到着し、その日のうちに被害に遭った宝飾店を訪問。強奪したのと同じ高級腕時計(6280万円相当)を試着し、店に在庫があることを確かめていたという。さらに事件前日の6日には、中央区の店で牛刀(刃体約21センチ)を購入していたことも捜査で分かった。
后容疑者は7日午後1時半過ぎに宝飾店を再訪して高級腕時計を奪った後、逃走を防ごうとした男性店員(30)を刺殺した疑いが持たれている。店から立ち去った後、関西国際空港の国際線ロビーで発見された。府警は当初から金品を奪う目的で来日した可能性があるとみている。
大阪地検は23日、后容疑者の刑事責任能力を調べるため鑑定留置を始めたと明らかにした。期間は12月16日まで。【斉藤朋恵、林みづき】
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