豊富な知識と高いスキルを持って「日光国立公園」を案内できる「認定ガイド」の制度が今年度からスタートする。栃木県は3年間で10人程度、同公園の「顔」となるガイドを誕生させ、さらなる誘客やブランド化を図っていきたいとしている。
同公園は今年12月で国立公園に指定されて90年となる。山々や高原、湖沼、渓谷など四季折々の自然が楽しめるだけでなく、「日光の社寺」など世界遺産が含まれ、歴史や文化など多様な観光資源がある。
公園内では約260人のガイドが活動しており、ガイド同士の連携や質の向上を目的に2020年、県を事務局に「日光国立公園自然ガイド協会」が作られ、約50人の登録ガイドが誕生した。日光、那須とそれぞれの地域でガイドが交流を深めたり、研修したりしている。
ビジターセンターなどに所属して修学旅行でガイドを務めたり、カヌーやカヤックなどの団体の企画でガイドを務めたりするなど、ガイドの活動はさまざまだ。
県によると、外国人観光客の増加などに伴い、ガイドをつけて特別な体験を楽しみたいという傾向も高まってきているといい、ガイドで人を呼べるよう登録ガイドの上に「認定ガイド」を設けることにした。
同様の認定制度を実施している北海道では、山岳、自然、カヌーなど分野を分けており、実技と試験をへて知事が認定している。県は業者を選定した上で枠組みを決める予定だが、自然や体験型(アクティビティー)を重視したいとしている。年度内に4人程度の認定ガイドを誕生させ、国立公園のPRも兼ねて積極的に宣伝を行っていく。
担当者は「スキルの高いガイドはいるが、注目度はまだあまり高くない。認定ガイドを誕生させ、観光客を呼び込むだけでなく、ガイドが職業として確立できるよう認定制度がそのきっかけになれば」と話している。【有田浩子】
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