群馬県警本部=前橋市で、西本龍太朗撮影

 群馬県伊勢崎市の国道17号で5月、トラックが車2台と衝突し家族3人を含む男女4人が死傷した事故で、県警交通指導課と伊勢崎署は20日、トラックを運転していた吉岡町下野田の会社員、鈴木吾郎容疑者(69)を自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)容疑で逮捕した。鈴木容疑者は「事故を起こしたことは間違いないが、詳しくは覚えていない」と容疑を一部否認している。

 逮捕容疑は、アルコールを摂取した状態のまま5月6日午後4時15分ごろ、伊勢崎市境上矢島の国道17号で、中型トラックを運転中、急加速をしたり急ハンドルを切ったりして対向車線にはみ出し、乗用車2台と衝突。乗用車を運転していた前橋市桶越町の会社員、塚越寛人さん(26)と息子の湊斗ちゃん(2)、塚越さんの父で渋川市赤城町宮田の会社員、正宏さん(53)を死亡させ、ほかの車に乗っていた太田市の女性派遣会社員(52)に軽いけがをさせたとしている。

 同課によると、鈴木容疑者は勤務先で実施したアルコールチェックは特に問題がなかったが、事故後に血液1ミリリットルあたり0・3ミリグラム以上のアルコールが検出されたという。会社での検査後にアルコールを摂取したとみられる。

 亡くなった塚越さんの妻で、湊斗ちゃんの母は弁護士を通じて、「仕事中に飲酒をするなんて信じられない。到底許せることではありません。お酒を飲みたいという欲のために死んでいったと思うと、悔しくて言葉も出ません」とコメントした。【加藤栄】

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