3

 夏休みも後半、海水浴などを楽しむ際に気を付けたいのが、海の危険生物の存在です。砂浜に打ち上げられている透明な物体。うっかり触って刺されると死に至る可能性もあり、注意が必要です。

■毒針&触手 浅瀬によく現れるのは…

海の危険生物 この記事の写真

 海辺で夏を満喫する多くの人々。しかし、海で遊ぶ際に注意が必要なのが、人を襲う海の危険生物です。

新江ノ島水族館 クラゲ担当
山本岳飼育員

「アカエイ、ゴンズイ、アンドンクラゲ」 アカエイ

 長靴をも貫く、鋭く硬いトゲを持つアカエイ。刺された場合、血圧低下や呼吸障害を引き起こす恐れがあります。

浅瀬の砂の中に潜む場合も

 アカエイは浅瀬の砂の中に潜んでいる場合があるうえに、体が砂の色と似ているため、気が付かずに刺されてしまうこともあります。

アンドンクラゲ ゴンズイ

 このほか、透明な体に毒のある触手を持つアンドンクラゲや背びれに毒針があるゴンズイなどもいて、刺されると激しい痛みがあります。

 中でも人々が遊泳を楽しむ浅瀬によく現れるのが…。

山本飼育員
「カツオノエボシ」 カツオノエボシ

 涼しげな青と透明の体。10センチほどの“ウキ”と10メートル近い触手を持つ毒クラゲ・カツオノエボシです。

 刺されると“電気が走ったような激しい痛み”が生じることから「電気クラゲ」とも呼ばれています。

死に至るケースも

 触手で刺されると腫れあがり、吐き気などの体調悪化や、人によっては毒によるアナフィラキシーショックで死に至るケースもあるといいます。

 過去に刺されたことがある人は、「ビリビリときた後に針でずっと刺されている感じ。めっちゃ痛かったです」と話します。

次のページは

■刺されたら…触手を「海水」で洗い流す

■刺されたら…触手を「海水」で洗い流す

SNS上ではカツオノエボシの目撃情報

 今年の夏もSNS上には、カツオノエボシに関する情報がありました。そこで番組は投稿があった神奈川県の海岸を取材しました。すると…。

かながわ海岸美化財団 柱本健司さん
「ほら、これ、これなんかゴミと見間違いそう。これ実は、カツオノエボシ。すこし干からびているけど」 乾燥した状態は一見するとゴミのよう

 打ち上げられてから時間が経っているのか、乾燥した状態は一見すると、ゴミのようです。カツオノエボシは死んでいても、触手には毒が残っているため、触れるのは危険です。

柱本さん
「(Q.この距離になると分からない?)分からない、これは分からない。『探すぞ』となって見つけられる」 気づかず触れる可能性

 体が小さくゴミに紛れて漂着することが多いため、気が付かずに触れてしまうことがあるのも厄介なポイントです。

柱本さん
「こんなの絶対分からない」
「またです。ポンポン見つかる」 刺されたら…触手を「海水」で洗い流す

 カツオノエボシに刺された場合、触手をまず海水で洗い流すことが大事だといいます。

柱本さん
「真水だと逆に刺激になってしまう。酢・真水で洗い流すとたまに言われるが、カツオノエボシの場合は新たな刺激になり、また毒針が発射される可能性もある」 触手の毒針、物理的刺激に反応

 触手には物理的な刺激に反応する毒針があります。海中で暮らすカツオノエボシにとって真水は刺激となるため、再び毒針に刺されてしまう恐れがあるのです。

次のページは

■カツオノエボシ注意報 高校生がAI開発

■カツオノエボシ注意報 高校生がAI開発

AIで予測・発信するSNS

 そんな「海の厄介者」カツオノエボシの漂着をAIで予測し、発信しているSNSアカウントがあります。

クラゲアラート
「8月16日から17日にカツオノエボシが以下の海岸に漂着する可能性が高いです!注意してください!」 「クラゲアラート」 高校3年生の小畑洲士さん(18)

 その名も「クラゲアラート」。開発したのは、現役の高校3年生・小畑洲士さん(18)です。

 もともとAIなどのデジタル技術に興味があったという小畑さん。開発したきっかけを聞きました。

小畑さん
「2年前に逗子とか鎌倉に、たくさんカツオノエボシが流れ着いたニュースを見たことがきっかけ」 AIでカツオノエボシの漂着予想

 カツオノエボシに刺された人が多くいると知った小畑さん。そこで被害者を減らせないかと考え、開発を始めました。

 気象庁の風のデータやJAXAなどの海流データを用いて、開発したAIが「カツオノエボシの漂着先」を予測。その結果をSNSで発信しています。

小畑さん「今後は予測と探知を両立させ…」 小畑さん
「今後は予測と探知を両立させ、精度を上げることで、カツオノエボシに刺される方を少しでも減らすお手伝いができたらと思う」

(「グッド!モーニング」2024年8月20日放送分より)

この記事の写真を見る
・100年以上“猛暑日知らずの街”今年も「エアコンは使っていない」移住の相談は約2倍 さらに、夏でもサウナが味わえる“涼しい街”も・「川に白い水が流れている」で発覚 38年間トイレなどの汚水垂れ流し・格闘家・朝倉未来(32)引退表明に弟・朝倉海らが反応・“100年に一度”幻の花が咲いた!横浜の中央分離帯にリュウゼツラン・なぜ?令和に「赤痢菌」食中毒 強い感染力&潜む“落とし穴”

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。