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東京・赤坂の飲食店で発生した食中毒。原因は「赤痢菌」です。
戦後に大流行した感染症が、なぜ令和のいま再び現れたのでしょうか。

■“ムシムシ天気”相次ぐ食中毒

都内の気温・湿度 この記事の写真は14枚

東京は猛暑日に迫る暑さに加えて、湿度は60パーセント超えです。

街の人(20代) 街の人(20代)
「ジメジメして、お弁当を持ち歩くとお腹壊すのが心配」

気温や湿度が高い日に心配なのが食中毒。

大分の旅館でも食中毒

8月上旬、 大分・由布市の旅館で食事や水を飲んだ537人が、 嘔吐や下痢など食中毒の症状を訴えました。患者からノロウイルスが検出されています。

食中毒対策が命の弁当店。
厚労省によると、食中毒菌は 20〜50度で増えるそうです。

店では冷風機を設置 店の人
「冷風機です。冷たい風が出ています。これで(弁当が)熱くならないように『涼しい所で保管してください』と言いますし、 問題が起こらないように気を付けています」

夏場に気を付けたい食中毒。この24年間、確認されることがなかった細菌も発生しています。

赤痢菌

それが「赤痢菌」。

街の人(10代)
「言葉しか知らないけど、深刻な重篤な症状がある感じ」 街の人(10代) 街の人(50代)
「赤痢というのはすごくタチが悪くて、なんか外にも出られない」

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■なぜ昭和の感染症が?都内で統計以来初の「赤痢菌」

■なぜ昭和の感染症が?都内で統計以来初の「赤痢菌」

1960年代の日本で流行

戦後、日本を恐怖に陥れた赤痢。
食べ物の温度管理を徹底していても、安心できない落とし穴があるといいます。

7月から8月にかけて、東京・赤坂の飲食店で昼食を食べた男女5人が下痢や発熱など食中毒の症状を訴えました。うち2人から検出されたのが赤痢菌でした。

都内で統計以来初の「赤痢菌」食中毒

都内で赤痢による食中毒は、2000年の統計開始以来、初めてです。

東京大学大学院 平山和宏教授 東京大学大学院 農学生命科学研究所 平山和宏教授
「赤痢菌は下痢や腹痛を起こす。脱水症状を起こして危ない場合もある」

赤痢は戦後の日本で大流行しました。

消毒作業 教室で治療

現場は消毒作業に追われ、病院はパンク。教室で治療が行われました。
患者の数は10万人を超え、死者は2万人近くに上りました。

近年は感染がまれだった赤痢ですが、なぜ令和のいま再び現れたのでしょうか?専門家は、感染力の強さをあげます。

感染力の強さを指摘 東京大学大学院 農学生命科学研究所 平山和宏教授
「非常に(菌の)数が少なくても感染してしまうので 、(食品の)温度管理をしていても手から食品に汚染が発生しやすい。赤痢菌を持っている人や赤痢にかかっている人の手についたものが食品について食べてしまった」

感染力が極めて強い赤痢菌。 菌を持っている人が触った食べ物にわずかな菌が付いていても、それを食べると経口感染するといいます。

これまで食中毒での感染がなかった理由については…

東京大学大学院 農学生命科学研究所 平山和宏教授
「食中毒そのものを皆さん気をつけるようになってるので、幸い起こっていなかった」

もし感染した場合、抗生物質を投与するなどの治療法があるということです。

感染した場合は…

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