報道陣に公開された燃料デブリを採取する装置の先端部が小石をつかむ様子=神戸市で2024年5月28日(代表撮影)

 東京電力は19日、福島第1原発2号機で計画する、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の初の試験取り出しに22日、着手すると発表した。

 強い放射線を放つ燃料デブリの回収は廃炉の最難関とされるが、取り出し装置の不具合などで、当初の計画から約3年遅れている。2号機は事故時に水素爆発を免れ、格納容器の内部調査が比較的進んでおり、今後の作業の試金石となる。

 燃料デブリは1~3号機に計880トンあると推計されるが、今回は最大3グラムの採取にとどまる。格納容器内部にある圧力容器を支える土台(ペデスタル)の内部につながる穴から、伸縮性の釣りざおのような装置を入れ、底にたまった試料を採取する。試料をつかむまで1週間、そこから取り出すまで1週間、計2週間程度かかる見込み。

 16日に原子力規制委員会の使用前検査を終え、装置の使用条件が整っていた。【高橋由衣】

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