生徒が母の日に贈っていたというカーネーションを献花する遺族=長崎市内で2024年4月20日午前10時59分、尾形有菜撮影

 長崎市の私立海星高2年の男子生徒(当時16歳)がいじめの被害を訴える手記を残し、2017年4月に自殺してから20日で7年を迎えた。遺族が現場となった市内の公園を訪れ、生徒が「母の日」によく贈ってくれたというカーネーションの花束を献花した。

 生徒の父(56)は7年間を振り返り「いじめ問題はやまず、凄惨(せいさん)な事件も起きている。息子の死を無駄にすることなく、今後も行動を起こし、一日も早く良い報告をしたい」と述べた。遺族はいじめ防止対策推進法の改正に向けた署名活動をするほか、同法に基づく対策を怠ったことが自殺の原因として学校側を提訴し、長崎地裁で争っている。

 また、遺族の要請を受けた県と県教委は22年、県内の公立・私立の高校や特別支援学校の教頭らを対象に、同法や国のガイドラインに関する研修会を実施。今年は2年ぶりに再び開催されるという。生徒の母(52)は「こうした研修からさらに裾野を広げた研修を、継続的に行ってほしい」と訴えた。

 この日は、ディズニーが好きだった生徒の遺志を引き継ぎ、国内のテーマパークで働く兄(25)も献花した。「弟がいなかったらこの業界に入っていない。すごく仕事が楽しく、『代わりに頑張っているよ』と伝えた」などと話した。【尾形有菜】

相談窓口

・24時間子供SOSダイヤル

 いじめやその他の悩みについて、子どもや保護者などからの相談を受け付けています。原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります。

 0120・0・78310=年中無休、24時間。

・子どもの人権110番

 「いじめに遭っている」「家の人に嫌なことをされる」など、先生や親には話しにくい相談に法務局の職員や人権擁護委員が応じます。

 0120・007・110=平日の午前8時半~午後5時15分

・まもろうよ こころ(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/sns/)

 さまざまな悩みについて、LINEやチャットで相談を受けている団体を紹介する厚生労働省のサイトです。年齢や性別を問わず、自分に合った団体を探せます。

・こころの悩みSOS(https://mainichi.jp/shakai/sos/)

 悩みを抱えた当事者や支援者への情報のほか、相談機関を紹介した毎日新聞の特設ページです。

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