大阪府警本部

 大阪市を拠点とするSNS(ネット交流サービス)型投資詐欺グループが摘発された事件で、メンバーの報酬が詐取金額に応じた歩合制で決められていたことが大阪府警への取材で明らかになった。府警は被害者にメッセージを送る「打ち子」らを競わせ、多額の現金をだまし取ろうとしたとみている。

 グループは二つに分かれており、金融商品「バイナリーオプション」への投資で確実に利益が出る商材があるとうそを言い、現金を詐取した疑いなどが持たれている。府警はこれまでにメンバー92人を逮捕。このうち一方のグループのリーダー格とみられる山田吉彦容疑者(43)ら男女40人を14日、詐欺や詐欺未遂の容疑で再逮捕した。

 府警特殊詐欺捜査課によると、打ち子らは原則平日の正午~午後9時に拠点の民間ビルに集まり、用意されたスマートフォンで商材購入を勧めるメッセージを送っていた。拠点には目標額や各打ち子がだまし取った金額が掲示され、報酬は詐取金額に応じて増減する歩合制だった。より多く報酬を得ようと、自宅にスマホを持ち帰っていた打ち子もいたという。

 また、大阪市以外に京都市でも関連グループとみられる拠点が確認されたといい、10人程度が同様の詐欺に関わっていたとみている。

 40人の再逮捕容疑は、山田容疑者ら13人が3月、宮崎県の10代の女性会社員から商材購入費名目で現金約52万円を詐取した疑い。残る27人は5~7月、10~20代の男女4人から計約166万円をだまし取ろうとしたとしている。府警は全員の認否を明らかにしていない。【岩本一希、川地隆史】

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