オンラインで記者会見する小林製薬の山根聡社長=2024年8月13日

 紅こうじサプリメントによる健康被害が相次いだ小林製薬は13日、サプリ摂取と死亡との関連性を調査している人数について、厚生労働省に報告していなかった事例が11人分あったと発表した。担当者が相談内容を、健康被害を管理する自社のデータベースに振り分けた際に漏れがあったためだとしている。

 11人のうち、4人については今後、医師などへの詳細調査を実施する。2人は摂取の有無を調査中で、残る5人は摂取していないことが確認された。8月19日から始まる補償に向けて健康被害に関するデータベースを再確認した際に漏れが発覚したという。

 オンラインで13日、記者会見した山根聡社長は報告漏れを謝罪した上で「社内の情報の連携に不備があった。補償の基盤となるのが健康被害の正確把握と認識している。確認を継続し、体制を強化していく」と話した。

 小林製薬を巡っては過去にも死者数の報告漏れが起きている。3月22日に最初の健康被害発生を公表後、腎疾患と診断されたケースに限って死者数を集計。摂取との因果関係が疑われる死者を5人と発表した。

 一方、5人以外にも遺族から死亡に関する問い合わせを170件受けていながら、6月下旬まで厚労省に報告していなかった。

 今回のケースも含め、死亡に関する相談事例は356人。そのうち、摂取の有無を調査中の人を含めて摂取との関連が疑われる死者は116人となった。【妹尾直道】

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