障害者グループホームで不正請求などをしたとして行政処分を受けた福祉事業会社「恵」(東京)が、放課後等デイサービスなど名古屋市緑区で運営する3カ所の障害児通所支援事業所でも不正請求をしていたとして、市は13日、児童福祉法に基づき事業者指定を取り消すなどの行政処分を出した。
10月1日から指定取り消しとなるのは、放課後デイ「放課後等デイサービスふわふわ」と児童発達支援事業所「ZIP KIDS」。また放課後デイ「こどものデイふわふわの家」が9月1日から3カ月間、事業の一部効力停止となる。
市によると、3施設では勤務実態のない職員が働いているかのように装うなどして、市から受け取る報酬を不正に請求するなどしていた。不正請求額は2018年度から23年度までの6年間で3施設計1億6378万円。市は加算金も合わせた2億2929万円の返還を求めている。
恵が運営する障害児通所支援事業所は今回処分対象となった3施設のみだが、市は不正に組織的な関与が認められるとして、恵運営の支援事業所については今後の指定更新を認めない「連座制」を適用。恵に対し、他施設と連絡を取るなどして利用者への必要なサービスが継続できるよう行政指導した。
「ZIP」に対して市は22年度に実地指導したが、実態と異なる資料が提出され、当時は不正を見抜けなかったという。河村たかし市長は記者会見で「福祉施設でごまかすなど相当道徳的にいかんですわ。(今後は)厳しくチェックする」と話した。
恵は6月、不正請求や食材費の過大徴収があったとして、市と愛知県から五つのグループホームの事業者指定を取り消す行政処分を受けた。厚生労働省は同社が全国で展開する他の99のグループホームについて、指定更新を認めない連座制を適用した。【川瀬慎一朗】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。