日本人選手が大活躍したパリオリンピックの新競技「ブレイキン」。その聖地とされる街では、ダンサーが危機感を抱いています。
■聖地「溝の口」 肩身狭い思いの人も
「AMI」こと湯浅亜実選手(中央) この記事の写真多彩な技とダンスの完成度の高さでライバルを圧倒した日本の「AMI」こと湯浅亜実選手(25)。10日、湯浅選手の金メダル獲得に川崎市のパブリックビューイング会場も大盛り上がりでした。
川崎市のパブリックビューイング会場しかし、湯浅選手は埼玉県出身です。なぜ川崎が熱狂しているのでしょうか?
参加者「川崎市はブレイキンの街って言われるぐらい、僕らもすごいお世話になってる所なんで。みんなで応援できて、うれしかった」 「SHIGEKIX」こと半井重幸選手
実は湯浅選手だけでなく、男子で4位に入賞した「SHIGEKIX」こと半井重幸選手(22)など、数々の有力選手が技を磨いたのが川崎市・溝の口です。
ブレイキンの聖地「溝の口」日が落ちると、武蔵溝ノ口駅の改札を出てすぐの所にある大きな窓ガラスが鏡のようになることから、夜な夜なダンサーが集まり、今や「ブレイキンの聖地」と言われているのです。
10代「最初は何してんだろうっていう印象だったんですけど、本当によくここでやってるのを見るんで、かっこいいなっていうイメージになってます」 好意的な反応ばかりではない
しかし、多くの利用者が集まる駅だけに、必ずしも好意的な反応ばかりではありません。
60代「音楽も激しめにかける人も中にはいて。公共の場だから、気を付けてもらった方がいい。何か起こってからだったら遅いから」 肩身狭い思いのダンサーも
肩身の狭い思いをしているダンサーもいました。
ダンサー(30代)「やっぱり第三者の目が気になるんで。どうしてもストリートって、通報とかもされちゃいますし」
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■川崎市 今後も使用を認める方針■川崎市 今後も使用を認める方針
ガラスの一部を木で覆い…環境の変化も起きています。市は今年3月、ガラスの一部を木で覆い、利用者が休めるベンチも設置しました。
危機感を抱くダンサーも街や駅がどんどんきれいになるなかで、ストリートカルチャーとして歴史を紡いできたブレイキンがやがて排除されるのではないか。そんな危機感を抱くダンサーも少なくありません。
市は今後も場所の使用を認める考えもっとも、市は今後もこの場所の使用を認めていく考えです。
川崎市担当者「自分たちの夢に向かって練習されている方々が多く来る所なので。今まで踊っている方々に不便がないように、うまく共存をしていけるようにできればという形です」 日本ダンススポーツ連盟 ブレイクダンス本部長 石川勝之さん(左)
湯浅選手のコーチを務め、自らも溝の口に通う競技団体の代表はこう話します。
日本ダンススポーツ連盟ブレイクダンス本部長
石川勝之さん
「簡単に言えば、我々のコミュニティーの場になっている。個人的には、本当にそこを空けてもらって『すいません』『ありがとうございます』みたいな気持ちはあります。行政と一緒にまちづくりの一環として盛り上げていけたら、人がどんどん集まるような街になっていくというのがいいなと思います」
(「グッド!モーニング」2024年8月13日放送分より)
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