台風5号では、上陸する東北太平洋沿岸部での大雨に特に警戒が必要だ。名古屋大の坪木和久教授(気象学)によると、平年よりも海面水温が高いため台風5号は水蒸気量を維持したまま上陸すると見られる。
気象庁が1951年に統計を開始以降、東北太平洋側に上陸した台風は2016年(10号)、21年(8号)に次いで3例目になる。東北地方の太平洋沿岸には山が近接しており、雨が強まりやすい地理的特徴がある。坪木氏は「太平洋沿岸地域での大雨に最も注意すべきだ。上陸前から上陸後にかけて長い時間注意が必要だ」と警鐘を鳴らす。
7月下旬に記録的な大雨が降った日本海側では、河川氾濫にも注意が必要だ。坪木氏は「太平洋側ほど雨が強くなくても安心できない。山の上で降った雨が下流に流れてきて、時間差で増水することもある」と厳重な注意を呼びかける。
台風上陸がお盆休みと重なることで、普段住んでいない地域で過ごす人も多いことが予想される。坪木氏は「ハザードマップを確認し、危険な地域に近寄らずに安全なところで過ごしてほしい」と話した。だが、線状降水帯が発生すれば排水が追いつかない内水氾濫が発生する危険性もあり、「マップは不完全であることを前提に利用してほしい」と指摘した。【肥沼直寛】
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