東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の処理水海洋放出から24日で1年となるのを前に、東電は9日、多核種除去設備「ALPS(アルプス)」で浄化した処理水を海水で薄めて海に放出する設備などを報道陣に公開した。
東電は昨年8月24日から今年7月までの間、7回に分けて計5万5000トンを海洋放出した。処理水に含まれる放射性物質トリチウムの総量は約8・6兆ベクレルに上るが、原発周辺で採取した海水のトリチウム濃度に異常値は出ていないという。今月7日には8回目の海洋放出を開始した。
公開された設備は構内沿岸部にあり、汚染水をアルプスで浄化後、海水を混ぜて、海底トンネルを通じて沖合1キロに放出している。免震重要棟の集中監視室では、24時間体制で海洋放出やタンクの水位などを見守っている。
空になったタンクは、早ければ2025年1月ごろから解体に着手し、跡地は溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)を取り出すための関連施設の建設場所に充てる。
東電の松本純一・ALPS処理水対策責任者は記者会見で「引き続き緊張感を持って実施する」と述べた。【錦織祐一】
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