南海トラフ巨大地震への備えを呼び掛ける臨時情報(巨大地震注意)の発表から一夜明けた9日、各地では病院や自治体の職員らが避難の前倒しや備えの確認を急いだ。10日から始まるお盆の連休を前に、被害想定の大きい和歌山県や高知県の行楽地では海水浴場の閉鎖や宿泊客のキャンセルが相次ぐなど影響が広がっている。
臨時情報の発表を受け、東海道新幹線は三島―三河安城間の上下線で全列車が通常より速度を落として運転している。また、近畿や四国の鉄道各社は一部区間の運休や徐行運転など対応を決めた。
JR東海によると、東海道新幹線は今後1週間程度、減速運転を実施。少なくとも10分以上の遅れを見込む。
JR西日本は1週間程度、特急「くろしお」の運転を和歌山―白浜・新宮間で取りやめる。名古屋と紀伊半島を結ぶ特急「南紀」も全区間で運休。普通電車はきのくに(紀勢)線の御坊―新宮間で徐行運転を行う。
近鉄は15日まで、大阪難波―近鉄名古屋間で、乗客の安全確保を目的に特急列車の停車駅を増やすなどの措置を取るという。
JR四国は、徳島県の牟岐線(由岐―阿波海南間)や高知県内の土讃線(吾桑―土佐久礼間)の一部区間で徐行運転を行うため、一部の普通列車が運休する。高知県の土佐くろしお鉄道は全線で徐行運転を実施する。【洪玟香】
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