情報提供を呼びかけるチラシを配る小田原署の永野進署長=JR湯河原駅で2024年4月19日、宮本麻由撮影

 神奈川県湯河原町で2015年4月、民家が全焼し、焼け跡から住人の平井美江さん(当時66歳)の遺体が発見された殺人・放火事件は21日に発生から9年を迎える。有力な情報は乏しく、事件は未解決のままだ。県警は19日、小田原署員ら約20人が現場近くのJR湯河原駅周辺でチラシ1000枚を配布して情報提供を呼びかけた。

 事件は15年4月21日の早朝に発生。全焼した民家からは、1人で暮らしていた平井さんの遺体が見つかった。平井さんの額には刃物が刺さっており、頭や顔に切り傷や殴打痕が多数残されていた。県警はこれまでに延べ3万4535人の捜査員を動員。1万1696人から聞き込み捜査を実施するなどしてきたが、事件解決につながる情報は得られていない。

 情報提供を呼びかけるチラシには、事件当日の朝に現場方向からJR湯河原駅に現れた不審な人物の写真や特徴などが記載されている。県警のホームページでは防犯カメラの動画も公開している。

 情報提供の数は年々減少し、23年に寄せられた件数はわずか2件にとどまった。小田原署の永野進署長は「是非些細なことでも気がついたことがあれば、警察に情報提供をしていただきたい」と話している。情報提供は同署捜査本部(0465・32・0110)。【宮本麻由】

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