富士山の山梨県側登山道「吉田ルート」で入山規制が始まって1カ月が経過し、富士吉田市などが登山者数を公表した。市によると、7月1~31日に6合目を通過した登山者数は5万5185人で、前年同期と比べ16%減少。規制が影響したとみられる午後5時~午前3時は2579人(前年同期1万757人)で、約4分の1になった。【野田樹】
富士吉田市は「弾丸登山や混雑対策に効果的な結果が得られた」とみる。市は、6合目にある富士山安全指導センターの事務局を担当し、センター前を通過して7合目に向かう登山者数を計測している。
5合目の規制ゲートを管理する山梨県は、1~31日に6万2660人が通行料を支払ったと発表した。このうち、山小屋宿泊者が3万9784人、日帰りが2万2876人。県が運用する予約システムを利用したのは50・8%に当たる3万1887人だった(いずれも予約のみで入山しなかった人を含む)。
また、環境省は吉田ルートと、静岡県側の富士宮▽須走▽御殿場――の3ルートの8合目付近に設置した赤外線カウンターで登山者数を計測。全てのルートが山開きした7月10~22日は、吉田2万569人(前年同期2万5695人)▽富士宮9309人(同1万280人)▽須走4323人(同4306人)▽御殿場2233人(同3393人)――で、計3万6434人(同4万3674人)だった。
山梨側が規制したことで静岡側の登山者増が懸念されているが、登山者の割合は山梨側が56・4%で、前年同期の58・8%から大きな変化はない。山梨県の担当者は「静岡側は天候が悪かった。要因を分析するのはまだ難しい」としている。
山梨県は吉田ルートの登山者数を1日上限4000人とし、午後4時~午前3時は山小屋の宿泊予約者と下山者以外の通行を制限。通行料2000円の支払いも義務化している。
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