マリンレジャー振興協会が海上で使える通信機器を、希望する沖縄県内のマリンレジャー事業者にリースするなどの取り組みを進めている。スマートフォンのアプリも併用し、水上の位置情報を常に確認できるようにし、漂流の事前回避や迅速な救助につなげる狙いだ。

 県警によると、昨年県内では水難事故が116件あり、うち死者は59人でいずれも全国ワースト。過去10年でも最多だった。今年は6月末時点で49件、死者は17人と、昨年同期に比べ3件8人減少したが、依然として高止まりしている。

 同協会は総務省の地域デジタル基盤活用推進事業に公募し、昨年採択された。本年度予算は約1億5千万円で、秋頃までに県内4地域に受信局を5カ所設置し県内全域をカバーするほか、通信端末800台を、県公安委員会が認めた「安全対策優良海域レジャー提供業者(マル優事業者)」向けに、通常の半額の2万5千円で3年間リースする。

 海で使われる通信端末「SEAKER(シーカー)」は、ソニーが開発した100キロ以上の広域通信が可能な通信技術を活用。200時間ほど電池が持ち、位置情報を長時間送信できる。位置情報は、専用アプリのマップ上に表示され、水上から陸上にいる事業者や家族へアプリを通じて連絡できるスイッチも付けた。

 同協会の安里繁信代表理事は「安心安全な沖縄の観光づくりに寄与できる」と力を込めた。問い合わせは同協会、メールcontact@AMP.okinawaまで。(社会部・豊島鉄博)

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