猛暑が続く中、ひとり親世帯の親の8割がこの夏休みに「エアコンの使用を控えようと思う」と回答したことが2日、民間団体の調査で判明した。子供が自宅で長時間過ごすため、電気代が増えて負担が大きいという。夏休みをなくすか短縮化することを希望する親も過半数に上り、暑さが厳しい群馬など北関東では特に割合が高かった。
夏休みは学校給食がなくなる上、食材価格の高騰で十分食事できない世帯も少なくない。「昨日、末の子が何食を食べたか」と質問したところ、「1日2食」の子供は32%で3人に1人に上り、「1日1食」も2%いた。「3食」は64%。品薄で価格が高騰している米を買えないことが「よくあった」は12%、「時々あった」は29%で、4割が経験していた。
自由回答では、「子供は1日2食で私は1食」「夏休みは米の消費が2倍に増えるが、値段が高いため、自分のご飯を抜いている」「おかゆにしてかさ増ししている」「麺を短く切って量を多く見せている」などの記述があった。
節約を理由にエアコンの使用を控えようと「とても思う」は46%、「思う」は33%。毎日は風呂・シャワーに入らない世帯も3分の1で、週1回3%、週2~3回が8%、週4~6回が21%。「エアコンは基本的に我慢し、限界になったら水を浴びる」「ガス代が高いので私のシャンプーは10日に1回」などの記述もあった。
「夏休みに子供を遊びに連れて行くか」の問いには、半数近い48%が予定はなく、30%が日帰り、14%が1泊以上の予定があると回答した。関東で最低賃金が最も低い群馬県では「生活が苦しく、社員になりたいが働き口が少なくて、なれない」「通学費や部活費の負担が大きい」などの声もあった。
各地の32支援団体で作るNPO法人ひとり親家庭サポート団体全国協議会が47都道府県で7月20~28日にアンケート調査を実施。2104人の有効回答があった。回答したひとり親は1・5%の父親を除き、母親だった。年代は40代が49%で最も多く、30代34%、50代14%など。半数以上は7月の就労収入が15万円以下だった。
事務局を務める東京都のNPO「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の担当者は「物価が高騰する中で夏休みは給食がなくて食費がかかり、子供が在宅で電気代・水道代もかさむのに、8月は児童手当などが支給されず、休暇が増えてパート労働の手取りも減る。低所得世帯への一時金などの対策が早急に必要で、支援が手薄な地方のひとり親家庭への目配りも必要だ」と話している。【田所柳子】
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