相次ぐ不祥事を理由に警察庁の特別監察を受けていた鹿児島県警は2日、再発防止策を発表した。各部署に警部補以下でつくる研究会を設けて現場の声を集約し、本部長に直接届ける恒常的な仕組みをつくる他、人事の活性化などで組織内の連携強化を図るという。
県警では2023年3月以降、捜査資料漏えいや盗撮などの疑いで現職の警察官5人が逮捕された。24年5月には内部文書を漏えいしたとして前生活安全部長(60)が国家公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕される事件も起きた。
警察庁は県警の野川明輝本部長を長官訓戒の処分とし、6月から首席監察官らを派遣して原因分析を進める特別監察を開始。県警は7月19日の県議会総務警察委員会で、不祥事が相次ぐ原因として職員の職責・倫理観の欠如▽個人情報保護の認識不足▽幹部の指示や県警本部と署との連携不足――などを挙げていた。
再発防止策はこうした反省を踏まえたもので、本部長や各部長ら幹部で構成する県警改革推進委員会を設置し、警部補以下でつくる研究会が組織について議論した内容を提言として受けつける。提言は県公安委員会にも報告して指導を受けることで透明性も確保するという。
また、人事でも改革を進め、地域や部署の垣根を越えて横断的に人員を動かすようにする。風通しを良くすることで組織を活性化させる狙いがあるという。【取違剛】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。