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 東京都知事選で現職・小池百合子氏に次ぐ2番手に食い込んだ前安芸高田市長の石丸伸二氏が7月31日に『ABEMA Prime』に出演。選挙後のテレビ出演での厳しい対応について「メディアの優勝劣敗が起きて然るべき」と真意を語った。各局、各番組の姿勢に関して率直な思いを述べると、サッカー選手・監督、実業家の本田圭佑からは「石丸さんは不器用な方」、『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏からは「メディアの中で存在感を出すのであれば、テレビを敵に回すのは逆によくない」といった声も見られた。

【映像】メディアについて熱く語る石丸伸二氏

■山崎怜奈とのやりとりが話題に「この人、プロ?と思った」

 都知事選では「小池VS蓮舫」という2強の争いと思われたところ、石丸氏は20代、30代、さらに無党派層と思われる有権者から支持を集めた。結果は現職・小池氏の圧勝に終わったものの、石丸氏は蓮舫氏を上回る2番手に食い込み、選挙後にも引き続き大きな注目を浴びることになった。そんな中、石丸氏の名がさらに広まるきっかけになったのが、選挙終了直後にフジテレビに出演した際のやりとりだ。タレントの山崎怜奈が、石丸氏が掲げた公約に対して「国政の規模でしかできないことも含まれていたのでは?」と投げかけたところ、「前提の下りがまったく正しくないと感じましたよ。私が公約で訴えてきたことは全て東京都として関与できる裁量があるその範囲に限定しています」とばっさり。これに対して山崎は「すみません、不勉強で」と謝罪した。やりとりに関しては賛否両論飛び交い、今なおネット上でも様々な声が広がっている。

 このやりとりを振り返り、石丸氏は「選挙特番で限られた枠の中で、出演するのは当然プロだと思っていた。しかもあの時、私は映像が見えず、音声だけが聞こえる状態。その時にきた質問で、『あれ?プロの人なのかな?』と思いながら受け答えしていた」と述べた。また各局から同じ質問が繰り返された点については「みなさん気を回してくださったので、その点については全然何も思わない。どこかのメディアでは『いつも同じ質問を繰り返してごめんなさい』と謝られたし、構わないと言っている」とし、改めて問題点については「私があの時しばいていたのは、そこじゃない。プロとして来ているのか、その立ち位置がよく分からないキャスティングだったなと受け止めたこと」と真意を語った。

 これには本田も同じ考えでいたようで「僕も長くメディアと付き合ってきたが、ものすごくメディア嫌い。だから実際に会った人に『そんなにしゃべるんですね』と言われる。僕はたぶん素人の方にちんぷんかんぷんな質問をされても、ちゃんと答える。むしろサッカーの番記者みたいな人たちがふざけた質問をした時には断罪する」と自身のスタンスを明かした。

■「テレビ局が普段どういう意識で番組を作っているかが表れた」

 石丸氏が今回の対応で見せたかったのは「メディアの再起」だという。「選挙が終わった後、そのタイミングで熱弁を振るっても、もう実は私として得るものはない。なので、あの時の目的意識は、メディアの再起をどうやったら促せるのか。メディアの優劣をもっと分かりやすくしたかった。優勝劣敗が起きて然るべきなのに、まだ起きていない。特に地上波は本当にひどい体たらくだった。それを白日の下に晒した」と口調を強めた。

 また、メディアごとにクオリティの差を体感したといい「インタビューは8分刻みぐらいで、各メディアが一通りするが、ちゃんと聞いているところと全然聞けていないところがある。番組のスタッフ個人、コメンテーター個人の問題もあるかもしれないが、トータルで見るとその番組、テレビ局が普段どういう意識で番組を作っているかが表れたのではないか。それを可視化する必要があると思ったので、横並びになっている時に一通り一掃してみた」とも明かした。

■ひろゆき氏「メディアの中で存在感を出すのであれば敵に回すのは逆によくない」

 選挙報道におけるメディアの在り方について、強烈なメッセージを放った石丸氏に対して、ひろゆき氏は今後の活動への影響を指摘した。「石丸さんは頭のいい人だと思っていたが、メディアの中で存在感を出すのであれば、敵に回すのは逆に良くないと思う。メディアが呼びづらくなるし、結果としてメディアに出られなくなる」と語り、さらに都知事選で圧勝した小池氏を例に挙げつつ「前回と一緒で、小池さんが票を取ったのはテレビに出続けているから。次回もこういった形でテレビがあまり石丸さんを取り上げないと、結局マイナスになってしまい長期的には損なんじゃないか」と、見解を示した。

 一方で、リディラバ代表の安部敏樹氏は、選挙戦におけるトランプ前大統領によるメディア批判戦術を例に出した。「有権者が本当は知らなきゃいけない情報を、地上波メディアを通して出せていないという問題意識は全く共感。ただ選挙の勝ち方で1つの特徴として出てくるだろうなと思っているのはメディア批判だ。メディアは嘘ばっかり言う、信じてはいけないと言い、俺を個別で信じろというメッセージを有権者に訴えかけたことで勝った州知事がアメリカにいた。これをそのままコピーアンドペースとしてやっているのが今のトランプ。メディアのことを批判しながら、メディアなんか見る必要もないから、ネットを通して俺を個人で見てくれという勝ち方が1つのトレンドになっていくのはありうる話」と、選挙の戦い方について言及した。

■本田圭佑「石丸さんは不器用な方。僕は試合に勝てるなら頭も下げる」

 メディアに対して強い姿勢を取った石丸氏に対して、メディア嫌いと公言する本田も、選挙戦を戦うという意味では、柔軟な姿勢が必要な時もあると語った。「石丸さんは不器用な方なんだと思う。勝たないといけないシチュエーションでも、自分を貫いているシーンが見受けられる。自分を貫くことを徹底されている。ただ僕は逆に、そこはバランスだと思っていて、自分を貫くところと、頭を下げてでもこの試合は勝たないといけないなら、頭を下げる選択も取るかもしれない。極論だが、勝ってしまえば官軍。その後やりたいようにいくらでもやれる。そこでまたキャラを180度変えても自由だ」と、絶対に負けられない戦いを向かう際の姿勢を明かしていた。
(『ABEMA Prime』より)

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