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 日本の教育現場において、行き過ぎた勝利至上主義に歯止めをかける形で“競争しない”という風潮が強まっている。運動会であれば「紅組・白組の廃止し『勝敗』がなくなる」「徒競走でゴールテープがなく順位がつかない」などが主な例だ。ただ、子どもたちが社会に出れば、競争の中に飛び込まざるを得ず、否応なく順位がつけられていく。『ABEMA Prime』では、サッカー選手・監督、実業家としても活動する本田圭佑、『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏、都知事選で2番手に食い込んだ石丸伸二氏らが、教育に関する議論を展開。本田は「このままなら結構まずい」など、警鐘を鳴らした。

【映像】教育論を熱く語る本田圭佑

■ひろゆき氏「社会は競争、勝ち負けもある」

 日本における教育の変遷を見ると、2001年度までは科学の発展についていける人材を育てようと「詰め込み教育」が行われてきたが、2002年度からは「ゆとり教育」が始まり、学校は週5日制になった。2020年度には新たな学習指導要領が作られ「生きる力を育む教育」になったが、学校内での「競争」においては、運動会で勝敗・順位をなくすような流れが続けている。

 ひろゆき氏は「子どもはかわいいからと、傷つかないように育てるのか。それとも、社会人として育てようとするかの違い。全然やるべき方向が違う。社会には競争があるし勝ち負けもある。社会に順応できるように努力して、勝つために何をしたらいいかを研究して練習するというのを、若いうちから教え込むことを僕はやるべきだと思う」と述べた。

 これにはサッカー界で戦い続けてきた本田も同調し「大人が子どもに勝たせるために一生懸命になるというのが勝利至上主義だと思っている。子どもが自分でしっかり学んでライバルたちに勝ちたいと思うことは、むしろ健全な勝利主義。前者がダメだということは賛成だが、後者はものすごく大事にしていくべき」と語り、学校教育での競争が減ることには「本当にこれが事実なのであれば、結構まずい状況に向かっているなと思う」と警戒した。

 都知事選では現職・小池百合子氏に次ぐ2番手に入った石丸氏も、正しく競争することの重要性を説いた。「教育の目的を見失いつつある。スポーツも勉強も芸術分野でも、ルールの中で競うところに重要性がある。勝ち負けを決めないかけっこ、運動会ならやめればいい。なんでやっているんだろうという目的意識がない。ちょうどいい機会だから全部見直せばいい」。公約でも教育に関するものを掲げており、現場の意識改革を求めていた。

■子どもを「目の前の目標に向かわせる」意味は?ポイントは「小さな成功体験」

 勝利至上主義に行き過ぎないところで、どこまで子どもを競争させ、目の前の目標に向かわせるかに関しても、様々な意見が飛び交った。ギャルタレント・あおちゃんぺは「今年の運動会はダメだったけど、来年は頑張ろうとなれば、挑み続ける気持ちが育つ。勉強でも運動でも、自分がどのぐらい欠けているのかを知る機会は、その子にとってすごく自信になる。敗者を決めるのではなく勝者を決めているのだから、1番下をここまで細かく決めなければいいのでは?」と持論を展開した。

 すると小学生による4人制のサッカー大会「4v4」の発起人である本田は「4v4では最下位まできっちり決める。なぜかというと、例えば47都道府県・47チームで全国大会をやるとして、下の30チームと上位の17チームは、とてつもない差がある。そうなると子どもが上を目指そうと思わない。ただ『近い順位のこいつにだったら勝てる』と思って頑張る。だから狭い世界でもいい。目の前の目標に向かわせるという意味では必要な仕組み。35位がダメとも言わないし、40位かもしれないところが39位になったら、すごい」と、1つでも上を目指すことが大事だと訴えた。

 また、ひろゆき氏も成功体験については同調。「マニアックな綱引きとか、騎馬戦とか、何の能力かわからないけど、それでも勝った気にはなれる。ちょっとでも成功体験を積むことは大事。騎馬戦の練習をして、その練習が正しかったかどうかはわからないけど、でも努力して勝ったという経験があると、次にこれもやってみようとプラスになる。書道大会でも、紙飛行機大会でもいい。いろんな大会をやった方がいい」と語っていた。
(『ABEMA Prime』より)

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