2016年の熊本地震で被災した熊本城(熊本市中央区)で、復旧工事が始まった重要文化財の田子櫓(たごやぐら)など五つの櫓が1日、報道陣に公開された。28年9月の完成を目指して工事が進められる。
公開されたのは、天守閣の南東側にあり、1600年ごろ創建とみられる木造平屋の櫓群。南側から田子櫓▽七間(しちけん)櫓▽十四間(じゅうよんけん)櫓▽四間(よんけん)櫓▽源之進(げんのしん)櫓――の5棟が並ぶ。
源之進櫓以外の4棟は棟続きで、防御施設や倉庫として使われたとされる。地震では、柱が傾いたり、壁がはがれたりするなどの被害を受けた。
復旧工事は6月下旬に準備工程がスタートした。25年1月ごろから本格化し、被害の大きい田子櫓と七間櫓は解体、他の3棟は一部解体した後、再建される。内部に鉄骨のフレームを入れる耐震補強も施す。総事業費は10・6億円。
熊本城総合事務所の岩佐康弘復旧整備課長は「一つ一つ丁寧に進めていきたい」と話した。
同じく重要文化財で、復旧工事が進行中の宇土(うと)櫓も報道陣に公開された。宇土櫓の復旧工事現場は月1回特別公開されており、8月は10~12日。今回は解体作業で取り外された瓦も合わせて展示される。【中村敦茂】
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