大阪府警は31日、府内に住む中国籍で会社員の40代女性が、中国の捜査機関をかたるグループから約3億円の現金をだましとられる特殊詐欺被害に遭ったと発表した。犯罪に関わっているとうそを言い、日本円や人民元を送金させていたという。
特殊詐欺捜査課によると、女性のスマートフォンに6月、中国の通信事業者を名乗る男女から「違法なビジネス情報を流している」と電話があり、通信アプリで中国の警察や検察と連絡を取るよう指示された。
女性はアプリや電話で、中国の警察官や検察官をかたる複数の男性に「詐欺グループの主犯格が、あなたから個人情報を入手したと話している」と言われ、女性の資産を調査する費用として指定の銀行口座に現金を送金するよう要求された。女性は日本円や人民元で計33回にわたり、総額3億円を振り込んだという。
女性はやりとりの中で、自分の顔写真が付いた身分証のようなものや、逮捕を示唆する文言が書かれた書類を見せられ、捜査機関と信じていた。書類に「逮捕期限」と書かれた日に身柄を拘束されなかったことから、親族に相談して被害に気付いたという。
詐欺グループは一貫して中国語を使っていたといい、府警は日本に住む中国人を狙った詐欺事件とみて調べている。【川地隆史】
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