上川陽子外相は30日の参院外交防衛委員会で、沖縄県内で2023年に発生した米兵による性的暴行事件について「(外務省の)事務方が捜査当局から情報共有を受けた後、事案の概要について迅速に報告があった」と説明した。
外務省として事件を把握した時期については、事件が発生した23年12月24日から、米兵が書類送検された24年3月11日の間に「捜査に協力が必要ということで関係省庁から情報共有を受けた」とした。具体的な日時は捜査にかかわるとして明らかにしなかった。
外交防衛委に先立って開かれた衆院安全保障委員会では「今回の事案は捜査当局から非公表の事案であるとして共有を受け、外務省事務方で対応して防衛省に対して情報を提供しなかった」と述べた。
日米両政府は1997年、米軍司令官が事件を把握した場合、沖縄防衛局に連絡するとの通報手続きを定めている。上川氏はこの手続きについて「詳細を把握していなかった」と語り、「この件が問題になった段階でフレームワークの流れをしっかりと把握した」と述べた。立憲民主党の小西洋之参院議員は「監督責任が果たせず外相の資格がない」と辞任を求めた。
また外務省の有馬裕北米局長は、事件の概要について外務省の事務方が官邸関係者に説明し、岸田文雄首相と林芳正官房長官にも伝えたと説明。ただ、時期に関しては「適宜適切に報告させていただいた」と述べるにとどめた。【中村紬葵、樋口淳也】
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