検品基準を満たさないために規格外になってしまうことで、きれいな状態にもかかわらず、廃棄されてしまうロスフラワー。那覇市の生花店フラワーシティーギフトの大城麗奈さん(28)は、そのような花で髪飾りや耳飾りなどのアクセサリーを制作販売し、ロスフラワーの削減に取り組む。「作品として残すことで、身に着ける人のもとで咲き続けてくれたら」と語った。(社会部・大庭紗英)

 「こんなにきれいなのに、誰の手に渡ることもなく捨てられてしまうのはかわいそう」。県外から仕入れる花は、飛行機や船など輸送時の衝撃によって折れてしまい店頭に並べることができない物も多い。

 大城さんは、店頭に並べられなかった花を自身でドライフラワーに加工し、アクセサリーに使用する。「花屋で働き始めて1年くらいたった頃、ロスになってしまう花が多くなって、本気で制作に取り組み始めた」。作品は店で販売を始め、今では制作依頼を受けることもあるという。

 仕入れ先で、県内で花や果物を栽培する宮平農園の宮平翼さん(41)は「多い時には畑の半分がロスになってしまったこともある」と話す。ロスを減らすために価格を下げての販売をSNS(交流サイト)で呼びかけたり、ファーマーズに持って行ったりと対策を打つも限界がある。大城さんがロスフラワーでアクセサリーを作っていると知り、自身の農園の花も使ってほしいと掛け合ったという。

 作品で意識していることは、本来の美しさを発揮できるようにすること。「人の顔がそれぞれ違うように、花もそう。形をどう見せるか、どう個性を生かせるかを考えている」。花によっては水分量などの理由によりドライフラワーへの加工が難しい物も。「何度も失敗した」と苦笑いする大城さん。花びらが破れないように、また透けないように、花の状態を見極めながら試行錯誤を重ねている。

 花もまた生きている命。大城さんはロスを出さないための仕入れにも気を付けている。「花が欲しいときは事前に注文してくれるとロスになる花を減らせる。命を無駄にしないように考えてみてほしい」と話した。

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