相次ぐクマ。この時期に「出没警報」が出されました。史上初の事態になっています。

■クマがレストランに まさかの展開

 クマが侵入した京都府福知山市のレストラン。18日午後1時ごろ、レストランの倉庫に体長1メートル前後のクマ1頭が入ってきたのを従業員が発見。倉庫内の一室に閉じ込めました。

 一夜明けた19日朝、再び捜索が始まります。体温を感知するカメラで倉庫内を確認。その後、クマを閉じ込めていた倉庫に関係者が入ると、壁の上部に設置された換気扇が床に落ちていました。換気扇の横の壁にはクマの足跡が付いています。

 クマは爪を換気扇に引っ掛けて外し、幅30センチ四方の通気口から逃げたとみています。

京都府 中丹広域振興局 岡田幸大課長補佐
「プラスチックでクルクル羽が3枚くらい付いているタイプの換気扇。これ自体に爪を掛けて部屋の内側に落としてしまっている、クマが。そこから空いた穴から逃げて行った」

 京都市内では、これまでクマが車道に出てくる姿も目撃されていて、人との接触が懸念されています。

■クマ 人気観光地に“居座る”

 秋田県では海外でも人気の観光地にクマが現れ、捕獲される騒動に。

 金色の「たつこ像」がたたずむ田沢湖。水深は423.4メートルと日本で最も深い湖です。湖畔は外国人の団体客などで連日にぎわっています。

 クマが現れたのは湖のすぐ近くにある食堂です。

たつこ食堂 櫻田綾子さん(76)
「隣のお姉さんから電話をもらって、すぐに来て、ここを(クマが)歩いていた。ノソノソと。観光客がいたからワーッとなって。ここ、ここから入った。」
「(Q.ここに居座っていた?)そうです」

 食堂の小屋に今月9日、クマ1頭が居座りました。通報を受け、仙北市が小屋の出入り口に箱ワナを設置。クマは一晩、居座り、翌日の朝に捕獲されます。仙北市によりますと、雌の成獣で体長は95センチ。体重は17キロで、痩せていたといいます。

 食べ物を求めて人里にやってきたのでしょうか。

たつこ食堂 櫻田綾子さん
「(山に)クマはいるけれども、初めて私は。怖い、ちょっとではなく、あまりに怖くて。だってクマにやられて命はあっても、自分で(その後)仕事も何もできない」

■秋田県 目撃情報 去年の7倍

 秋田県内では今年に入り、クマの目撃情報がすでに92件。去年の同じ時期の7倍以上にも上っています。

■「ツキノワグマ出没警報」4月に初

 秋田県は18日、県内全域に発表している「ツキノワグマ出没注意報」を「警報」に切り替えました。4月に警報が出されるのは2016年度の運用開始以来、初めてのことです。

 観光地ではクマの出没に備え、対策を強化しています。

田沢湖レストハウス 佐藤和人観光事業部長
「ゲストの安全が一番なので、食堂で出た残飯、食べ物を外に放置しない。厳重に屋内に置いて鍵を掛ける」

■小学校にアナグマ 児童と教員かまれる

 冬眠明けのこの時期、クマ以外の野生動物による被害も。ごみ箱の中で丸まっている茶色の動物は「アナグマ」です。

 岩手県滝沢市で登校中の小学生と通学の指導にあたっていた教諭がアナグマに襲われました。アナグマは体長50センチほど。2人は右足付近にかまれたような痕があり、病院で手当てを受けました。

住民(80代)
「ここに何十年もいるけどアナグマが出たなんて聞いたことない」

 なぜ、アナグマは人を襲ったのでしょうか。

盛岡市動物公園 武田一千斗さん
「アナグマは食肉目イタチ科の動物。穴の中で生活する動物なので、土の中の生物を食べて過ごす。アナグマは視力が弱い動物。攻撃された人も近付いてしまい(アナグマが)興奮して向かってきたか」

■床下で繁殖?専門家「爪の力が強い」

 アナグマが住宅に侵入する被害も相次いでいます。穴を掘って床下に入り込み、子を生んで繁殖するケースも。

害虫・害獣駆除 プログラント 藤井靖光代表
「爪の力が強いので、箱わなを壊して逃げるケースも。親は子が近くにいれば向かってくることも」

■アナグマの脅威 ごみ箱のなかにも

 獣医学の専門家は、かまれた時の危険を訴えます。

酪農学園大学 獣医学類 浅川満彦教授
「体内に細菌やウイルスが入る場合もあるので、抵抗力が弱い子どもや高齢者は体内で繁殖してしまう場合も。敗血症という病気になり、ひどい状況になるので、水洗い消毒をする。もちろん病院に行く」

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