歩行者優先の交通ルール浸透を図ろうと、栃木県警交通企画課などは、信号機のない横断歩道での一時停止をドライバーに呼び掛ける新たなコマーシャル(CM)映像を制作した。事故死者数の少ないイギリスの紳士的な交通マナーを意識して、ビートルズのアルバム「アビイ・ロード」をオマージュしたという。
CM制作は、日本自動車連盟(JAF)の調査で2018年、信号機のない横断歩道での都道府県別の一時停止率が0・9%で全国最下位だったことを受け、改善を図ろうと19年に第1弾を公開。今回が第6弾となる。
キャッチフレーズは「ずっと止まれる栃木県」。同課は、車も歩行者も互いに思いやりを持って子どもから高齢者まで全世代が「ずっと」止まれるマインドを高めようという意味を込めたと説明する。映像は30秒で、アビイ・ロードと同様、道の両側に街路樹が茂る独協医科大病院(壬生町)付近の町道で撮影された。
とちぎテレビや県警本部1階ロビーなどのデジタルサイネージで放映するほか、県警ホームページでも公開されている。
全国ワーストの汚名を返上しようと啓発に力を入れた結果、一時停止率は19年13・2%(全国29位)、20年14・2%(36位)と年々改善。21年は31・0%(22位)で同年の全国平均(30・6%)を上回り、22年は44・9%(22位)、23年は74・8%で全国3位に向上した。
県警の難波健太本部長は「今回の映像も知恵を絞った力作。『止まるのがかっこいい』という行動機運を定着させたい」と話した。【藤田祐子】
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