岩手山を岩木山(青森県)と取り違えたチラシが配られ、物議を醸した高層マンション「レーベン盛岡紺屋町」(盛岡市)の建設を巡り、同町周辺の商店主らによるグループが24日、岩手県庁で記者会見を開いた。グループは、開発事業者の「タカラレーベン」(本社・東京都)に対し広く市民を対象とした説明会を開催するよう求めた。
会見したグループ「紺屋町まちづくりの会」によると、同社はマンション建設に関連する説明会を7月29日に市内の会場で開く。しかし、条例に基づくもので、近隣住民しか対象にしていないという。
グループ共同代表の早坂大輔さんは会見で「盛岡市民が参加できる場で、行政も交え、企業姿勢を見せてもらいながら、説明いただく場が必要ではないか」と述べた。
グループは同町で飲食店や書店などを営む事業者らで構成。マンション計画が表面化したことを受け、今年に入り、古くからの街並みが残るかいわいと調和する外観にすることなどを同社に要請してきた。一部の要望には前向きな回答を得たという。一方で、メンバーの店舗写真が断り無くマンションの広告に掲載され、解決のための提案をしたにもかかわらず無視されたなどとし、同社の対応に疑問も募らせてきた。
そこに6月、岩手県の象徴とも言われる岩手山の取り違えが明らかとなった。事業による影響を不安視する世論の高まりを受け、グループは6~7月に2回にわたり、同社に市民対象の説明会を要望。しかし、同社から前向きな回答はなく、近隣住民のみを対象とする説明会の案内があったために会見を開くことにした。
早坂さんは、グループの活動は「(マンション建設への)反対運動ではない」と断った上で、「強引な説明会の開催が非常に残念。市民が参加できる説明の場を検討いただきたい」としている。【釣田祐喜】
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