24日に見せ場を迎えた京都の「祇園祭」。1100年以上の歴史を誇る祭りも暑さの影響で大きく様変わりしています。

■京都“夏の風物詩”祇園祭

 真夏日となった京都市。危険な暑さが観光客を襲います。

 熱中症とみられる男性が倒れています。意識はあり、保冷剤や風をあてられています。

 男性が見物していたのが日本三大祭りの1つ「祇園祭」です。

 京の街に響く“お囃子(はやし)”。11基の山鉾(やまほこ)が練り歩く後祭の「山鉾巡業」です。豪華絢爛(けんらん)な様子から動く美術館とも呼ばれています。

 見どころの1つが“辻回し”。10トンを超える山鉾を一気に90度、方向転換させます。

観光客
「観覧席で見て、色々追い掛けて、そこで辻回しを見て」
「テレビでしか見たことなかったけど、初めて。いいですね」

 沿道には約6万4000人が集まりました。

スペインからの観光客
「すごく良いですね。すべてがとても美しく、ディテールにこだわっていて驚きました」

■1100年の歴史も“暑さ”で変化

 祇園祭の始まりは平安時代の869年とされています。この年、京の都では疫病で多くの人が亡くなりました。当時、疫病は悪霊の仕業だと考えられていて、これを封じ込めるために始まったのが祇園祭でした。

 その後、神社と街の人々の祭りへと形を変えて継承されていますが、今、退散させたいのはこの暑さです。

 京都で気温の統計が始まったころの1881年7月の猛暑日は0でした。一方で、今年はすでに12回。

■熱中症搬送相次ぐ“非常事態”

 祭りどころではない事態も…。

 消防局の車椅子で運ばれる観光客や熱中症とみられる症状で運ばれていく人もみられました。

 カメラの前で緊急事態が…。1人、熱中症とみられる症状で倒れています。氷で体を冷やされ、応急処置を受けています。

 真夏の暑さのなか、熱中症とみられる患者の搬送が相次ぎました。

消防
「道を空けて下さい」

■祇園祭をゲリラ雷雨が直撃!

 さらに、暑さは思わぬ事態も引き起こします。

 暑さで大気の状態が不安定に。ゲリラ雷雨が発生しました。

■ペットボトル“解禁”給水所は倍増

 こうした異常な暑さのせいで1100年以上の歴史を誇る祇園祭も変わりつつあります。

 参加者の腰にペットボトルがぶら下がっています。実は去年まで祭りの参加者は給水所以外での水分補給ができませんでした。

 しかし、今年から参加者はペットボトルを携帯。こまめに水分補給するように呼び掛けます。

看護師
「水分だけじゃなく塩分も取って下さい。塩あめもあります」

 給水所も数を増やしました。去年まで給水所は3キロの巡行コースに2カ所でしたが、4カ所に倍増。

参加者
「助かります。生き返るんで助かります」
「去年より、よく水分取らせてもらえるんで、だいぶ楽にやらせてもらえてる」

 また、去年までは自分の山鉾が出発するまで炎天下で1時間ほど待たなければなりませんでしたが、今年は巡航に合わせて集合するように変えました。

今年で47回目 参加者
「時代時代に応じた対応をしないことには。昔のままの対応でいくとね。改善するとこは改善してもらって」

▶テレ朝天気

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