那覇市の認可外保育施設(廃止)で2022年7月、一時預かりの生後3カ月の男児がうつぶせに寝かされ、その後死亡した事故で、遺族側が園側や市、国に対して損害賠償を求める訴訟を那覇地裁に起こすことが23日までに分かった。事故から2年となる30日に提訴し、弁護団が会見する。代理人弁護士によると、認可外保育施設での死亡事故を巡る国家賠償請求訴訟は全国で初めてとみられる。
市が設置した検証委員会が3月にまとめた報告書によると事故当日、施設職員が早い段階で男児の異変に気付いて園長に報告したが、十分な対応が取られなかった。保護者が迎えに来た際には男児の顔がうっ血し、体温が低下していたにもかかわらず、施設側が救急要請などを怠ったとも指摘している。
弁護士によるとこうした園の対応について、当時の園長や市に対して安全配慮義務違反などへの賠償を求める他、認可外保育制度が抱える問題を残してきたとして国の責任も問う。弁護士は「全国の認可外施設で同様の死亡事例が起きている。訴訟を通して問題提起したい」と話した。
事故を受けて検証委は3月、市側に指導体制の強化などを要求。提言を受けて市は6月、再発防止策を講じるための行動計画策定に向けた委員会を設置した。
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