東京都内で捕獲されるアライグマの数が増えています。住宅街にすみ着くアライグマも急増し、屋根裏で子育てもしていました。
■愛らしい見た目も…寄生虫や狂犬病の恐れ
水槽を物色 この記事の写真とがった鼻にサングラスを掛けたような目の周りの黒い模様。暗闇の中、水槽を物色しています。
カメラを設置したのは、足立区に住む男性です。今年1月、初めてアライグマを目撃してから数十回見掛けているといいます。
目撃した人「きのうは2回、昼間と夜9時ごろ」 アライグマを目撃した人「暖かくなって、それから毎日のように。きのうは2回、昼間と夜9時ごろ、2階に上がっていたのを見ました」
さらに出没は増えています。
逃げる様子も…「全くなかった」 アライグマを目撃した人「家の壁の脇を歩いてますね。普通の家の脇を歩いている。これはアライグマが立ち止まってくれた」
「(Q.逃げる様子もなかった?)全くなかったです」 寄生虫や狂犬病の恐れ
餌(えさ)をやりたくなるような愛らしい見た目のアライグマですが、寄生虫を持っているだけでなく、狂犬病に感染している恐れもあります。そのため、かまれたり、なめられたりすることは非常に危険なのです。
「お菓子のクズを…食べてしまった」 アライグマを目撃した人「アライグマがあさって倒して、中に何にもないんですけど、お菓子のクズが入っていた。それを食べてしまった」
インターネット上にも、複数の目撃情報が上がっています。
東京・北区でフェンスをよじ登る4匹世田谷区では、周りを警戒しながら住宅街を歩いている姿が見られました。北区では、4匹のアライグマがフェンスを器用によじ登っていました。
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■「特定外来生物」指定 業者への依頼3倍■「特定外来生物」指定 業者への依頼3倍
東京23区でも捕獲数が増加10年前は東京西部で捕獲されることが多かったアライグマですが、最近では生息域が拡大。東京23区でも捕獲数が増え、2021年には1000を超えています。
「特定外来生物」に指定農作物を食い荒らすといった被害をもたらし、感染症を媒介することなどから「特定外来生物」に指定されています。
そのアライグマが住宅街にすみ着くケースも増加しています。
「住宅街にも巣」 ハウスプロテクト城戸宏輔マネージャー
「住宅街にも巣はあって、アライグマ、ハクビシンはこういう住宅街であれば、巣をつくります」 依頼のあった築50年の住宅
業者への依頼も去年の3倍に増えています。この日、依頼を受けてやってきたのは、神奈川県鎌倉市にある築50年以上の住宅です。アライグマがすみ着いてしまったといいます。
シミはアライグマの排泄物 依頼住人「ここにシミがある。こっちにもあります。2カ所」
このシミはアライグマの排泄(はいせつ)物です。
依頼住人「玄関のほうまで、一帯をずっと歩いているんです」
「1匹だけなんですけど」
しかし最近、異変がありました。
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■都で目撃したら…速やかに自治体へ連絡を■都で目撃したら…速やかに自治体へ連絡を
依頼住人「ミィミィ聞こえて」 依頼住人「そこを通ったら、急にミィミィ聞こえて、子ども産んだんだと。子どもの可愛らしい声が聞こえてきたんです」 親と4匹の赤ちゃんアライグマ
天井に穴を開け、屋根裏をのぞいてみると、そこには親と4匹の赤ちゃんアライグマがいました。
アライグマを住宅の外へ出そうとすると、親アライグマは赤ちゃん4匹を残して外へ逃げていきました。
「動物の追い出し薬」 ハウスプロテクト高石尚貴スタッフ
「今はカプサイシン系の刺激臭のする、薬剤をまいている状態。動物がここにいたくないと出ていくための追い出し薬」 帰巣本能の強いアライグマ
帰巣本能が強いアライグマが巣に戻ってこないようにすることも重要だといいます。
依頼住人「良かったです。ほっとしました。ほっとしたのと、かわいそうなのが入り混じっている」 約5時間かかった捕獲作業
今回の捕獲作業でかかった時間は、およそ5時間でした。
都内でもアライグマの目撃 専門家は…都内でも見掛けるようになったアライグマ。専門家はこう指摘します。
日本獣医生命科学大学加藤卓也准教授
「捕獲をする、あるいはアライグマに利用されやすい環境をなくしていくことは必要。一方で、アライグマを街中で見掛けても、素手で捕まえたり、何か対策しようというのは非常に危険です」
都は、アライグマを目撃した場合、速やかに自治体に連絡をするよう呼び掛けています。
(「グッド!モーニング」2024年7月24日放送分より)
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